仕事が忙しくて掃除機がけもままならないし、床のザラつき、ベタつきも気になる。やはりロボット掃除機を買うべきか……と考えたことがある人は多いのではないでしょうか? 一方で近年のロボット掃除機の進化は目覚ましく、機能も価格も多様になっているので、どれが自分の暮らしにマッチするのか決めかねている人もいるかもしれません。
そんな数あるロボット掃除機の中から今回は、近年話題のDreame(ドリーミー)社の高機能ロボット掃除機「Dreame L10s Ultra Gen2」を試してみましたので、さっそくご紹介します。
-
Dreame L10s Ultra Gen2
忙しいビジネスパーソンに「5way全自動ベースステーション」は必須!
「Dreame L10s Ultra Gen2」は、吸引しながら水拭きもできる2in1タイプのロボット掃除機。充電台には、本体のゴミを自動で収集する機能に加え、水拭きモップを濡らし、掃除後に洗浄して乾燥、さらには水拭きモップ用の洗剤自動投入機能まで搭載された「5way全自動ベースステーション」を採用しています。
-
天面のフタを開けると、右にモップを濡らしたり洗ったりするための水を入れる「浄水タンク」、左にはモップ洗浄後の汚れた水を回収する汚水タンクが設置されています
-
「浄水タンク」には4.5Lの水が入れられます
前面にあるシルバーの扉を外すと、自動収集したゴミを溜める紙パック、そして水拭き用の水に洗剤を自動で補充してくれる「洗浄タンク」をセットするスペースがあるので、ここに液体洗剤を入れたケースを押し込みました。
-
紙パック「ダストパック」の容量は3.2L。最大80日ぶんのゴミが溜められます。左には洗剤タンクをセット
-
液体洗剤はあらかじめ洗剤タンクに入れておきます
この5way全自動ベースステーションは、忙しいビジネスパーソンにはぜひ取り入れてほしい機能です。例えば、掃除が終わるたびにゴミを捨てる、水拭きをするためにモップを濡らして絞って装着する、使い終わったらモップを外して洗って干すといった手間がかかります。これが結構面倒で、これが結構面倒で、掃除が後回しになる人は多いと思うので、全自動で済ませてくれるのはとても魅力。洗剤も自動投入なので、その都度自分で計量する手間もありません。
モップが伸びるMopExtend RoboSwingで隅までスッキリ
ではさっそく掃除してみましょう。使用する際は専用アプリ「Dreame home」をスマホにダウンロードし、本体とWi-Fi接続すれば、アプリで操作ができるようになります。最初に5分ほど家の中を走らせると家のレイアウトを記憶し、マッピングしてくれるので、今後の掃除がぐんと効率的に。
-
数回掃除した後のマップ。レイアウトはほぼ正確なので、あとは自分で部屋の名前をつけたり、家具を設置したりして再現度を高めます
このまま掃除をスタートしてもいいのですが、清掃モードをきめ細かく設定できるのがアプリ連携のいいところ。特に、このDreame homeは、クリーニングモード(水拭き&吸引、床拭きなど)や吸引力、モップ湿度、カーペットクリーニング設定など、非常に細かく設定が可能なので、状況に合わせた掃除ができます。さっそく家中(1階のみ)を水拭き&吸引モードで掃除してみました。
-
カスタムで基本的な設定ができるほか、別のページではより細かな設定が可能です
-
ロボット掃除機裏面には、モップと吸い込み口、サイドブラシが2つずつ装着されています。掃除を開始するときは、まずベースステーションでモップを洗ってから出動
ベースステーション内でモップを洗浄したあと、ステーションから出てまもなくモップが回転し始め、掃除がスタート。吸引力は10,000Pa(パスカル)と非常にハイパワーで、落ちている細かなゴミをぐんぐん吸い込んでいきます。さらに床には、2つのモップがしっかり圧をかけて拭いたであろう拭き跡が残っており、床はピカピカ!
見ていて、思わず「おお〜!」と感心してしまったのが、壁際や家具まわりに近づくと2つのモップがニュッと飛び出し、本体が届かない場所まで掃除してくれること。ロボット掃除機がまるで生き物のように、自分の意思を持って動いているように感じます。
-
モップを伸ばして隅まで掃除する「MopExtend RoboSwing」機能で、従来比165%の掃除が可能になったそう
このモップの動きが実に巧みで、見ていると賢く健気に思えてきます。例えば狭いテーブルや椅子の下ではモップを伸ばして足回りをしっかり掃除、椅子の間をくぐるときはいったんモップを引っ込めるなど、臨機応変にモップを操っているのです。さらに部屋の隅では、モップを押し当てるように、おしりを振りながらジワジワ移動することも。おかげで今までは目を瞑っていた隅のホコリもスッキリ!
【動画】奥まで届くように、しっかりモップを押し込んで、おしりをふりふり
(音声が流れます。ご注意ください)
奥まで届くように、しっかりモップを押し込んで、おしりをふりふり。実は途中、ちょっと不安なこともありました。2つのモップを伸ばすと、本体の真ん中部分の拭き掃除ができず、一部拭き残しになってしまう……と思いきや、戻ってくる時にモップを内側に戻し、拭き残した部分をしっかり掃除してくれました。抜かりなし、賢い!
-
壁際に小麦粉と麦茶を撒いてみました
【動画】隅までしっかり掃除してくれますが、真ん中には拭き残しが……?と思いきや抜かりなし!
(音声が流れます。ご注意ください)
-
戻ってきたときに拭き残しもしっかりきれいにしてくれました
ロボット掃除機がこれだけ徹底的にきれいにしてくれたら、自分が手を動かす手間が省けるので、自分で掃除する時間がない人には本当にうれしいですね。特に花粉シーズンはできるだけ拭き残しをしたくないので、このMopExtend RoboSwingは見逃せない機能だと思います。
掃除パターンは暮らしに合わせてカスタマイズ
前述のように本機は、Dreame homeアプリで自分好みの掃除が可能です。たとえばモップ洗浄のためにベースステーションに戻る頻度を自分で設定できるので、長時間掃除していて、「モップが汚れているのでは……」と心配になってしまう人におすすめです。そのタイミングも、掃除面積や時間、エリアごとで選べるので、たとえばキッチン掃除後は一度モップ洗浄してほしいと思ったら、「エリアごと」を設定するといいでしょう。
さらに水拭き機能付きでネックになるのが、カーペット掃除です。わが家はリビングの一部にカーペットを敷いているので、吸引&水拭きモードで掃除するときは、そのロボット掃除機がカーペットをどのように掃除するタイプなのか、必ずチェックします。というのも製品によっては、床材を見分けてカーペットを濡らさないためにカーペットには乗らないものもあれば、そもそも床材を見分けられないため、濡らしたくなければ事前にカーペットが片付けておかなければいけないものもあるからです。
-
カーペットには犬の毛やフケが絡まっている可能性が高いので、しっかり吸引してほしいところ
その点、高機能モデルは床材を見分けるセンサーが搭載されているので、カーペットを検知したら水拭きはせず、吸引だけしてくれるものが多い印象。本製品も超音波センサーがカーペットを検知すると、モップの回転をやめてぐっと上に持ち上げて、カーペットを濡らさずに吸引だけ行ってくれます。ほかにも「カーペットクリーニングの設定」をすれば、カーペットは避けるパターンやカーペットを無視して全て吸引&水拭き掃除するパターンなども選択できます。
-
カーペットクリーニングだけでも複数の選択肢があります。先にカーペットを掃除してからフローリング掃除に移るパターンも
筆者はカーペットもしっかり吸引してほしいので「モップを持ち上げて掃除する」を選択しました。すると、これまた賢い! カーペットに上がりかけると、センサーが反応したのでしょう。いったん止まってから、濡れたモップがカーペットにつかないようグイッと10.5mm上げて掃除してくれるのです。おまけにカーペットでは吸引力を上げるモードにしているので、奥のゴミまでパワフルに吸い込んでくれます。ここまで自分の希望に合わせてきめ細かく設定できると、もはや自分の意思を反映した分身のように思えてきますね。
【動画】カーペットを降りた後、フローリングであることを確認してからモップ掃除を再開
(音声が流れます。ご注意ください)
ちなみに本製品では、完全お任せの「CleanGenius」モードを選択することもできます。これはロボットが部屋の状態を見分け、自動で集中モップがけや汚れやすいエリアのクリーニングを強化してくれるというもの。じっくり時間をかけて掃除してくれるので、時間があるときはこちらを選ぶのもいいでしょう。
ペットオーナーにうれしい「ペットケアモード」
ところでわが家では、毎日の掃除で水拭きが欠かせない理由があります。8歳になる飼い犬クウちゃん(チワプー)がトイレシートで用を足した後、足の裏の付着物が気になるのです。そのため常日頃からロボット掃除機の水拭き機能はとても重宝していますが、本機には、そんなペットオーナーにうれしい“ワンランク上”の機能がありました。
-
まず家具編集で、ペット用品を設定、配置しておきます。その後「ペット周辺のクリーニング設定」をオンにすればOK
そもそもDreame homeアプリには、実際に置いてある家具などをアプリ上にも配置し、より現実に近いレイアウトを再現できる機能があります。その際、合わせてペット周りの家具も設定し、「ペット周辺のクリーニング設定」をオンにしておけば、その周辺を2回に分けて徹底的に掃除してくれるというものです。
-
愛犬がくつろぐハウスと、トイレシートを登録しておきました。ただ本人は(ロボット掃除機が)しつこく掃除してくるので、少し迷惑そうな表情でした(笑)
さらにペットオーナーとしてありがたいのが、掃除機のブラシの毛がらみがほとんどないことです。全自動タイプのロボット掃除機は、あまり手をかけなくていいため、逆にブラシのお手入れを忘れてしまうこともあります。結果、びっちりと犬の毛や髪の毛が巻き付いて、取れなくなってしまうことも……。
その点、本機はゴム製ブラシ採用で毛が巻きつきにくく、独自形状で取り除かれやすくなっているので、毛がらみがほとんどありませんでした。
-
5回ほど掃除した後ですが、毛は一切ついていません。とはいえ、サイドブラシなどには絡まる可能性もあるので、2週間くらいに一度は底面をチェックしましょう
賢いのにパワフル&高コスパ! 忙しいビジネスパーソンも、家の掃除はまるっとお任せ
以上、Dreame L10s Ultra Gen2を1週間ほど使ってみましたが、完全に手間要らずの5way 全自動ベースステーション、10,000Paの吸引力、モップが伸びるMopExtend RoboSwingなど、何をとっても満足でした。おまけにとても賢く、「こんなふうに掃除したい」という理想をとことん叶えてくれるのです。
もし、まだロボット掃除機を使っていない理由が「きれいに掃除してくれなそう」「うまく使いこなせなさそう」「高機能モデルは値段が高そう」と思っているなら、その点は心配不要です。特に掃除の時間が取れないビジネスパーソンや、掃除をこまめにしたいペットオーナーにおすすめしたい1台です。

著者 : 田中真紀子
たなかまきこ
この著者の記事一覧はこちら