三脚の脚にクランプ機構を内蔵し、手すりやベンチなどに挟んで固定できる異色のミニ三脚「MAMBAPOD」がMakuakeに登場。地面に三脚を置けない状況でもカメラをしっかり固定でき、これまでの三脚では難しいアングルでの撮影も可能に。1人旅やVlogなど、1人で撮影をこなす必要がある「ワンオペ撮影」がはかどると感じました。
-
異色のクランプ内蔵ミニ三脚「MAMBAPOD」が登場。こんな状態でもカメラをしっかり固定でき、撮影の幅がグンと広がる
脚にクランプを内蔵、平面も曲面もがっちりホールド
Makuakeでクラウドファンディングが始まったのが、台湾のSilent Cornerが開発したミニ三脚「MAMBAPOD」。昨今のミニ三脚のトレンドに漏れず、MAMBAPODも主要なパーツをアルミの削り出しで作っており、高級感のある仕上がりになっています。脚の伸縮機構はありませんが、脚には1/4インチのネジ穴を合計6つ備えており、LEDライトやマイクなどのアクセサリーを固定できます。
長さは脚のみで188mm。重量は脚のみで320g、専用雲台込みで480gと、同種のミニ三脚と比べるとやや大きく重いのですが、その分安定性に優れていると感じます。
-
アルミの削り出しで作られており、見た目や質感はイマドキのミニ三脚だが、ロゴが刻まれたゴツい脚に工夫が詰め込まれている
-
脚を折りたたんだ状態。この状態で持てば、自撮り棒としても使える
-
脚には1/4インチのネジ穴を合計6つ備えている
MAMBAPOD最大のポイントが、1本だけ太い脚にクランプ機構を内蔵していること。挟み込む部分を開き、先端部のノブを引き出して回すだけでクランプを締められ、さまざまなものに簡単に固定できます。クランプ部を回転させれば、テーブルの天板などのフラットなものと、ポールなど円柱状のものの両方の固定に対応します。挟み込める対象は、フラットな面が0~85mm、丸い面が20~80mmの範囲です。
-
ゴツい脚の内側には凝った機構の折りたたみ式クランプを内蔵している
-
クランプとツマミを引き出してツマミを回せば、ポールなどに挟み込んで固定できる仕組み
-
フラットなものを挟み込む状態
-
先端を回転させると、ポールなど曲面のものを挟み込める
ただ、フラットな面には滑り止めのラバーシートが張られているのに対し、ポールを固定する面にはラバーが張られていないため、ポールや手すりなど固定したものを傷つける可能性があります。今回は自分でラバーテープを用意し、それを張り付けてキズが付かないようにして使いましたが、この点は改良を望みたいところです。
-
曲面のものを挟み込む部分にはラバーなどが張られておらず、そのままでは挟み込んだものを傷つける可能性がある
-
自分でラバーテープなどを用意して張り付ければ挟んだものを傷つけずに済み、ホールド性も向上する
さまざまな場所にカメラを固定でき、三脚に足を引っかける心配もナシ
実際にミラーレスカメラを使い、MAMBAPODを試してみました。クランプの開閉には独特の操作が必要ですが、少し慣れればスピーディーにセッティングできます。相当な力で挟み込むので、重たいミラーレスカメラでもしっかり固定できました。上向きはもちろん、縦位置撮影で90度傾けた状態にしても、カメラを逆さにしてもグラつくことはありません。脚を曲げてさまざまなものに固定するゴリラポッドとは比べ物にならない安定性で、実用性は高いと感じました。
耐荷重は、上向きが5kg、吊り下げなどそれ以外の状態が2kgとなっており、昨今のミラーレスならば明るいレンズを装着した状態でも吊り下げに対応できます。カメラはもちろん、アダプターを付ければスマホも装着できます。
-
このようにクランプで挟み込んでガッチリ固定できる
-
フラットなベンチの天板にも問題なく固定できた
-
ポールが斜めになっていてもカメラは水平にできる
-
90度横倒しの状態でも固定できる。柵が土ぼこりで汚れていると滑りやすくなるので注意
クランプで固定せず、先端側のクランプを金網などに引っ掛けて固定することもできます。多少不安定になるのが欠点ですが、クランプでの固定よりは手っ取り早くセッティングできるので、状況によっては活用できそうです。
-
1つのクランプで細いものに引っ掛けることも可能。ただ、クランプでがっちり固定するのとは違って、いささか心もとない
脚のみの一般販売価格は33,600円で、Makuakeでの早期購入価格は24,780円から。専用の小型雲台が付属するモデルの一般販売価格は45,600円で、Makuakeでの早期購入価格は33,280円からとなっています。
競合製品となりそうなレオフォトの「MT-04」は、3段の伸縮機構を活かして金網などへの固定が可能ですが、MAMBAPODはさらに幅広い状況でより確実に固定できるのがメリット。価格はやや高めですが、普段は撮れないアングルでの撮影が手軽にできるユニークな三脚として注目できます。三脚に足を引っかける心配がなくなるメリットも見逃せません。