俳優の綾野剛が主演を務める映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』(6月27日公開)の新たな映像と場面写真が8日、公開された。
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映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』(左から柴咲コウ、綾野剛、亀梨和也)
柴咲コウ演じる保護者「絶対に許すことができません」
同作は、第6回新潮ドキュメント賞を受賞した福田ますみ氏のルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』を原作に三池崇史監督が映画化。主人公の小学校教諭・薮下誠一(綾野剛)は、児童・氷室拓翔(三浦綺羅)への体罰を理由に母親・氷室律子(柴咲コウ)から告発され、“史上最悪の殺人教師”としてマスコミの標的になったことで日常が崩壊していく。
氷室律子(柴咲コウ)の息子・拓翔(三浦綺羅)が、「先生に体罰を受けた」と打ち明けるところから始まる今回の映像。名前を呼ばれた「薮下先生」のカットに映る男の表情とたたずまいは、ただ事ではない雰囲気が漂う。
しかし、その後に再登場する小学校教諭・薮下誠一(綾野剛)は、怯えた表情のまま「やってません」と全面否定。それにもかかわらず、続くシーンでの言動はどこか常軌を逸している。一方、氷室律子は「絶対に許すことができません」と強く言い切り、冷徹ともとれる鋭い視線の奥には、奇妙な空気も感じさせる。
そのほかにも、登場人物たちのただならぬ存在感が目を引く。週刊春報の記者・鳴海三千彦(亀梨和也)は氷室夫妻に「私に任せてください」と堂々と口にし、教頭・都築(大倉孝二)は「認めてましたよね?」と薮下に詰め寄る。律子の夫・拓馬(迫田孝也)は「出ていけ、暴力教師!」と怒りを爆発。そんな中でも、薮下の妻・希美(木村文乃)は「あなたの味方だから」と語りかけ、揺るがぬ愛情と覚悟を感じさせる。
校長・段田重春(光石研)が「とにかくまずは謝罪すべきだ」と慎重に言葉を選ぶ様子からは、事なかれ主義を印象付け、律子側の弁護士・大和(北村一輝)は「被告が体罰をしたと?」と余裕の表情で問いただす。そして、薮下の弁護士・湯上谷(小林薫)は「裁判は戦争ですよ」と静かに語りながらも、経験に裏打ちされた鋭さをにじませる。
登場人物それぞれが緊迫した空気をまとい、実力派キャストの演技によって物語の重厚さが際立つ映像となっている。
(C)2007 福田ますみ/新潮社 (C)2025「でっちあげ」製作委員会
【編集部MEMO】
映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』のキャスト発表に際し、週刊春報の記者・鳴海三千彦を演じた亀梨和也は、「今回、再び三池組に参加することができ、とても嬉しかったです。それと同時に綾野剛くんと久しぶりに共演させていただき、非常に刺激的な現場になりました。台本を読ませていただき、人と人との関わりの難しさ、そして繋がりの素晴らしさについて深く考えさせられました。今回演じさせていただいた役は、物語の流れを大きくする重要な存在です。初めて演じる職業。僕自身も様々な思考が交差する難しい役どころでしたが、集中して取り組みました。ぜひ劇場に足を運んでいただき、なにかを感じ取って繋がって帰っていただけら嬉しく思います。
」とコメントを寄せていた。