今回はビックカメラ池袋本店を訪ね、薄型テレビの売れ筋を取材しました。

同店でビジュアルコーナーを担当する鈴木翔太氏によると、売れ筋は55型から65型が中心で、そこから前後に43型~75型まで広く売れているそうです。この傾向はファミリー層に限らず、一人暮らしを始めた大学生や新社会人にも当てはまるとのこと。「ネットで動画配信サービスやさまざまな情報が見られるようになったいま、テレビを求める人は良い映像環境で楽しみたい、という動機を持っていることが多いので、お住まいの環境によらず『買うなら良いものを』という意識で選ばれるのです」といいます。

  • ビックカメラ池袋本店の3Fにあるテレビ売り場。ビジュアルコーナー担当の鈴木翔太氏にナビゲートしてもらった

趣味の道具としての側面が濃くなってきたテレビ市場は、また、海外メーカーの勢いも強まっているようです。海外に渡った国内ブランドがあるだけでなく、東アジアのブランドも売り場で存在感を放っています。そうしたなかで、同店でよく売れているトップ5の製品を挙げてもらいました。下記の「令和のテレビ選び 3つのポイント」を踏まえて追いかけていきましょう。

<令和のテレビ選び 3つのポイント>

  • 対応できる動画配信サービスの確認は欠かせない。あとからアプリを追加できない製品もある。
  • 購入すれば10年の付き合いになる道具。10年先まで満足できる仕様を意識して選ぼう。
  • そのうえで拡張機能を比較したい。録画機能や音響追加機能のほか、ゲームに向いた応答速度の速い製品もある。

※本文と写真で掲載している価格は、2025年2月5日14:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:ソニーの映像表現と音響力が堪能できる「BRAVIA 7 K-65XR70」

一番人気に挙げられたのは、ソニーの65型モデル「BRAVIA 7 K-65XR70」です。mini LED搭載の4K液晶パネルを採用したテレビで、アンプやスピーカーが増設できます。取材時の価格は398,000円でした。

「映像コンテンツを作っているメーカーだけに、映像表現に定評があります。mini LEDによって、液晶の明るさと有機ELに近い鮮やかさが楽しめます。音響面でいえば、BRAVIAは人の声だけを上下できる『ボイスズーム』機能を備えているので、ご年配の方にもよく指名されます」

  • ソニー「BRAVIA 7 K-65XR70」

第2位:有機ELとパナソニックの映像表現のマリアージュ「VIERA TV-65Z95A」

続く2位は、パナソニック・VIERAのフラッグシップモデル「TV-65Z95A」です。65型の有機ELパネルを採用した4Kモデルで、取材時の価格は485,100円でした。

「有機ELの鮮やかさとパナソニックの映像表現の相性がとても良くて好評です。お客さんの層はBRAVIAと重なりますが、比較するとより年配の方の支持が厚い印象ですね」

  • パナソニック「VIERA TV-65Z95A」

第3位:放送中の番組を一括チェックできる「REGZA 65Z870N」

3位に入ったのは、TVS REGZAの65型mini LEDモデル「REGZA 65Z870N」です。地上デジタルチューナーを9基、BS・110度CSデジタルチューナーを3基、新4K衛星放送チューナーを2基内蔵しており、外付けハードディスクを接続すれば最大6番組の同時録画ができます。取材時の価格は302,160円でした。

「最大6チャンネルを同時に表示できるので、放送中の地デジ番組をまとめて眺めることができます。タイムシフト録画も便利ですし、特に地上波番組を余すことなく楽しみたい方に魅力的なテレビですね。ご家族で見たい番組がバラバラになっても大丈夫ということで、ファミリー層の支持が大きいです」

  • TVS REGZA「REGZA 65Z870N」

第4位:65型で10万円切りのハイセンス「65A6K」

4位は、ハイセンスの65型液晶テレビ「65A6K」です。NetflixやDisney+など19種類の動画配信サービスを標準サポートしており、取材の価格は99,800円でした。

「圧倒的なコストパフォーマンスの高さが注目されていますが、映像や音などの基本的な性能も上々です。『できるだけお安く、地上波とネット動画を大画面で楽しみたい』という方が真っ先に注目するモデルですね」

  • ハイセンス「65A6K」

第5位:65型有機ELで30万円切りの「OLED65C4PJA」

5位には、LGエレクトロニクスの65型有機ELモデル「OLED65C4PJA」が入りました。120Hzのリフレッシュレートを備え、映像好きの人からゲーム好きの人まで幅広く支持されているとのこと。取材時の価格は291,800円でした。

「大画面の有機ELで映画やゲームを楽しみたい、という人によく売れています。どちらかというと若い人によく指名されますね」

  • LGエレクトロニクス「OLED65C4PJA」

はみ出し情報・・・ネット動画を楽しみたい人に広がるプロジェクター人気

テレビに近い存在として、最近はプロジェクターの人気が目立っているそうです。鈴木氏は「『テレビは見ないけれど、ネットは大画面で楽しみたい』という人は、プロジェクターを選ばれますね。実際、テレビ売り場とプロジェクター売り場をまたいで買うものを検討している方も珍しくありません」といいます。

プロジェクターなら、一定の広さの壁さえあれば大画面で映像が楽しめるうえ、予算も抑えやすいといった特徴があります。そうしたなかでよく売れており、かつ鈴木氏も個人的に注目している製品として、ANKERのフルHDモデル「Nebula Capsule 3 Laser」を挙げてもらいました。取材時の価格は119,900円でした。

「500mL缶くらいの大きさながら、とてもきれいに映ります。私も自分の部屋でちょっと映像を楽しみたいと思って買ってみて、使い勝手の良さに感動しました。私と似たような使い方をする方のほか、プレゼントとしても人気がありますね。クリスマスシーズンにもよく売れました」

  • ANKER「Nebula Capsule 3 Laser」