お笑い芸人の明石家さんまが16日、宮城県石巻市・マルホンまきあーとテラスにて開催されたアニメ映画『漁港の肉子ちゃん』上映会&明石家さんま・渡辺歩監督トークイベントに出席した。
さんまが直木賞作家・西加奈子の小説に惚れ込み企画・プロデュースした本作。昨年6月11日に公開されるやいなや話題に。第23回富川(プチョン)国際アニメーション映画祭特別賞、第46回報知映画賞アニメ作品賞、第45回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞など、数々の映画賞を受賞し、海外でも高い評価を受けている。今回、公開以来『漁港の肉子ちゃん』上映の機会がなかった石巻で、1200人(×2回)の特別“凱旋”上映会を実施。イベントには、さんまと渡辺歩監督が参加した。
震災直後、11年前に番組で訪れて以来、久々に石巻に来たというさんま。「お招きいただきありがとうございます。今年こうして来られたわけですけど……遠い! 仙台駅からボロい車で来たので腰が痛い!」と愚痴をこぼして笑いを誘う。
イベントでは、西氏の作品を映画にしようとした理由、アニメ化までの経緯、さらにはアフレコ現場でのエピソードを楽しく振り返り、会場を盛り上げた。そして、さんまは「石巻に来られたことに感謝しております。今日はありがとうございました!」と挨拶した。
本作では、肉子ちゃんの声を大竹しのぶ、娘・キクコの声をCocomiが務めた。第一回のイベント終了後、監督とともに囲み取材に応じたさんまは、Cocomiの起用について言及した。
Cocomiの父・木村拓哉と親交のあるさんまは、当時小学生のCocomiが声優の勉強をしていると聞き、冗談で「将来、俺がアニメ作るからお前主役な!」と約束したと述懐。約束を果たすためにオーディションに来てもらったものの、スタッフも驚く才能を見せ、実力で主役の座を射止めたと振り返った。
そして、「(監督やスタッフ曰く)ココちゃん(Cocomi)の声が美しいらしいんですよ。声が美しいって、僕、言われたことないし、美しい声って何なん?」とさんま。初めての声優、初めての関西弁にも関わらず、完璧に仕上げたため「ココちゃんのすごさを感じました」と語った。
なお、本作のBlu-ray&DVDは4月27日に発売される。Blu-rayの豪華版には、舞台裏を収めたメイキング映像や舞台挨拶など、貴重な特典映像を収録。本編&特典DISCのBlu-ray2枚組で、渡辺監督デザインの肉子ちゃんオリジナルTシャツや、泣く泣くカットした映画未映像化シーンの絵コンテ入り特製ブックレット(32P)が封入されている。
何度も観ることができるため、購入者に向けて魅力や見どころを問われると、さんまは、台本以外のアドリブシーンが多く、監督に苦労をかけたと謝罪しつつ「アフレコとか確認含めると、200回は見たと思いますけど……飽きない」と笑わせる。一方、渡辺監督は「アドリブが大変多いので、もともとの台詞運びから、師匠のアレンジされた部分を探して、耳で確かめていくと楽しいかもしれません」と述べていた。