前回は、NASケースにハードディスクを組み込んで、NASとして動作するまでセットアップしました。今回は、組み立てたNASにPCからバックアップしてみたいと思います。まずは、簡単なおさらいから。
SynologyのDS218j(NASケース)は、HDDを組み込んで電源を投入すると、自動でセットアップが行われます。しかし、これでは「ただのネットワークドライブ」としてしか機能しないため、本来の性能とやらは見せてもらうことができません。
そこで、NASをあらゆる方面から活用できるツールを備えた管理ソフトウェア「DiskStation Manager(通称DSM)」をインストールします。インストールすると言っても、お使いのPCにインストールするわけではなく、NASにインストールします。本製品を活用する上で、この作業は必須と考えて下さい。
実は、この時点ですでにネットワーク経由でNASにアクセスできるようになっています。共有フォルダも公開されているので、WindowsのエクスプローラーやMacのファインダーで、バックアップしたいファイルをドラッグアンドドロップすれば、NASにコピーできちゃいます。
しかし、これではまだ「ただのファイルサーバー」止まりです。複数のコンピューターでファイルを共有するだけならこれでも良いのですが、バックアップをドラッグアンドドロップなどのように手動で行っていると、ついつい面倒くさくなってサボり気味に。「あーバックアップしてないなー、そろそろやらないと……」と思っているときこそ、データ破損やHDDクラッシュが起こったりするものです。
そういったデータ喪失あるあるや、ヒューマンエラーを防ぐためにも便利なソフトウェアを使ってバックアップするのが鉄則です。しかも、今回はメーカー謹製のソフトなのでハードウェアとの親和性は高く、とても使いやすいので、とっとと設定しちゃいましょう。
バックアップ用ソフトをインストールしてみよう
まずは、先ほどのDSMの「パッケージセンター」から「Cloud Station Server」をインストールします。このソフトもNASにインストールされることになります。
続けて、新たなウインドウが表示されるので、「Cloud Station Backup」をインストールします。このソフトはNAS側ではなく、PC側にインストールされるソフトなので要注意。NAS側にインストールされるソフトとPC側にインストールされるソフトが混在しているので、少しややこしく感じるかもしれませんが、「Cloud Station Backup」はPCのローカルにインストール必要があります。
インストールが完了すると、そのまま設定するように促されます。NASのIPアドレスかホスト名と、DSMをインストールしたときに設定したユーザー名とパスワードを入力します。
次に、バックアップしたいフォルダを設定します。筆者の場合は、血と汗と涙の結晶とも言うべき、執筆した原稿や取材時の写真などは、全て「OneDrive」フォルダに保存してあるので、まるごとバックアップするように設定します。
「バックアップ規則」は文字通り、バックアップする際のルールを決める設定です。指定の拡張子をバックアップ対象から除外することも可能。例えば「.tmp」などは、お使いのアプリが一時的に生成したファイルであることが一般的で、ユーザーが作ったファイルではないので、バックアップしてしまうとNASの中に埋もれてしまう無駄なファイルになってします。そこで、拡張子を指定して、バックアップ対象外とするわけです。