俳優の眞栄田郷敦が主演を務める、映画『ブルーピリオド』(公開中)の場面写真とメイキング写真が23日、公開された。

  • 左から高橋文哉、眞栄田郷敦

同作は山口つばさ氏による人気漫画の実写化作。からっぽだった高校生・矢口八虎(眞栄田)が、1枚の絵をきっかけに美術の世界に本気で挑み、国内最難関の美術大学を目指して奮闘していく物語。美術の経験も才能もない素人が天才的な画力を持つライバル達や、答えのないアートという壁に苦悩しながらも、情熱だけを武器に圧倒的努力で困難を乗り越えていく。

映画『ブルーピリオド』“夜の海”シーンの撮影風景を切り取った場面写真

現在公開中の同作の中でも反響の多かった“八虎×ユカちゃん(高橋文哉)”の関係性から、八虎がユカちゃんを助けに行く“夜の海”シーンの撮影風景を切り取った場面写真を公開。自身の将来に思い悩み夜の海に来てしまったユカちゃんを、受験を2日後に控えた八虎が助けに向かう原作でも人気のシーンだ。

ユカちゃんが藝大の一次試験を途中で抜け出したと聞いた八虎は、心配になり何度も電話をかける。小田原の海にいるというユカちゃんは「今から来ない?」と誘うが、受験を控えた八虎は戸惑いの表情。今回解禁された場面写真は、そんな八虎がユカちゃんからの誘いを受け、自分の将来と友人、どちらを選択するか苦悩する姿や、海辺で思いつめた表情のユカちゃんが切り取られている。

電話を切った後、悩んだ末に八虎はユカちゃんがいる海まで向かうことに。海の中に入っていくユカちゃんを見つけた八虎は、自身も海に入ってユカちゃんの手を掴み助け出す。そんな海の中で2人が向き合う幻想的な姿を切り取った場面写真も解禁された。

海に入っての撮影は衣装が濡れてしまうため、本番では一発撮りを求められていたという。そのため、夜に控えた撮影へ向けて昼から何度もリハーサルを重ねた眞栄田と高橋。ユカちゃんのもとへ走っていく途中で八虎が転んでしまうという、リハーサルの中で生まれた演出について、眞栄田は「普通に走ってしまうとかっこよすぎるし、高校生ならではのがむしゃらさを出したいと監督から言われたこともあって“靴が脱げなくてこけてしまう”という芝居を入れました」と八虎の必死な様子を表現したと語った。

また撮影時を振り返り、高橋は「何回砂浜でリハをしても海の中に入ると全然違って、自分と水平線の間にだれもいなくなるその一瞬で一気に気持ちが変わりました。海の中に入っていくにつれて、どんどん周りの音が聞こえなくなって吸い込まれていく感覚がありました。ユカちゃんの心情を理解していたつもりでしたが、これはいくらリハを重ねても気づかなかった感覚だなと感じましたし、一発勝負という新鮮なものを創っているんだなと思いました」と、当時の心情を話した。

さらに、ユカちゃん役の高橋がピースしてこちらを見つめる貴重なオフショットも。こちらは眞栄田が写ルンですで撮影したもので、緊張感溢れる夜の海のシーンとは対照的に、リラックスした表情の高橋が写し出されている。

【編集部MEMO】
『ブルーピリオド』原作は2017年6月より月刊アフタヌーンで連載され、「TSUTAYAコミック大賞」「このマンガがすごい!」など国内の主要漫画賞にノミネート、「マンガ大賞2020」を受賞。アニメ版も好評を博し、舞台化もされている。

(C)山口つばさ/講談社 (C)2024映画「ブルーピリオド」製作委員会