女優でモデルの日南響子と俳優の青木崇高が29日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた、映画『桜姫』の初日舞台あいさつに出席した。

左から、日南響子、青木崇高

映画『桜姫』は、江戸時代の狂言作者・四世鶴屋南北の『桜姫東文章』を、橋本一監督が現代風にアレンジした作品。高家の名門・吉田家の一人娘・桜姫(日南)は、ある夜、音も無く侵入してきた若い男・権助(青木)に襲われる。無理矢理汚されたにも関わらず、権助に恋をしてしまった桜姫は家を飛び出して遊女になり、相手をする男たちに「権助を探して欲しい」と依頼。遊郭でついに権助と再会した桜姫だったが、その恋の行方は思わぬ方向に転がっていく――というストーリーで、映画は全国公開中(R-15指定)。

主演の日南は「監督の変態さが全面に出てて狂ってる映画。人間の欲や憎しみ、愛情とか色んなものが見られて面白いです」とアピールすると、青木も「相当クレージーな映画。娯楽性の強い時代劇もあるんだと、ガンガン笑って楽しんで欲しい」と自信を持ってPR。ハードな濡れ場に果敢に挑んだ日南だが、「撮影は楽しかったので、それが全面に出てる。そんなに体当たりな芝居だったとは感じてません」とあっけらかんと話すと、青木が「彼女も相当変態ですよ。桜姫が地に近い理想の生き方なんじゃない? 今は仮の姿でしょ?」と突っ込み、「ぶっ飛んでるところとかそうかもしれない」と照れ笑いを浮かべた。

また、遊女のお七を演じたセクシー女優の麻美ゆまと激しい取っ組み合いを演じた場面について「本気でぶつかったから痛かったけど出し切りました。その後に仲良くなって良かった」と振り返った日南。麻美は、境界悪性腫瘍のため両卵巣と子宮を全摘出後、現在抗がん剤治療を受けており、「とても思い出深い作品になりました。私に出来る事をすべて出しました。必ず元気になって帰って来ます」と会場にメッセージを。続けて「実は響子ちゃんが横に座ってる時、ぷっくりした唇やスベスベした太ももを見てニヤニヤしてました。キャットファイトしたことは一生忘れません。また会うのを楽しみにしてます」と日南に向けた手紙が読み上げられると、日南は「今朝、『頑張って!』というメールをくれたんです。早く元気になって欲しい」と思わず涙を浮かべていた。