11人組グローバルボーイズグループ・INIのリーダー木村柾哉が、映画『あたしの!』(11月8日公開)でスクリーンデビューし、女優の渡邉美穂とW主演を務める。幸田もも子氏による同名コミックを実写化した同作では、真っすぐで素直過ぎる性格で、思ったことは即行動、自分にも他人にも嘘がつけないあこ子(渡邉)が、学校イチの王子様・直己(木村)に恋をしたことから、親友の充希(齊藤なぎさ)と恋のファイトを繰り広げることになる。

今回は、映画初出演で初主演を務めた木村にインタビュー。今作にかけた意気込みやメンバーの反応、さらには芸能界での輪が広がっている交友関係についても話を聞いた。

  • 木村柾哉 撮影:宮田浩史

木村柾哉、映画『あたしの!』主演にINIメンバーも叫ぶ

――今回、「学校イチの王子様」というキャッチコピーがついていますが、自分でも心がけたことはあったのでしょうか? メンバーを参考にしたこともありましたか?

醸し出るイケメンさやモテ男感みたいなものは、 頑張って研究して出したつもりです。原作を読んで、ふとした行動も確認しながら学ばせてもらいました。意外と、周囲のメンバーは全く参考にしてなかったです。王子様というよりもわちゃわちゃタイプが多いので、あんまり参考にならなくて(笑)。映画期間中は、「自分が1番王子様」というくらいの気持ちで頑張ってやっていました。

――今回、映画主演が決まったことについてメンバーの反応はいかがでしたか?

すごく喜んでくれるメンバーもいれば、感情が読めないメンバーもいて。(松田)迅はとりあえず叫んでたんですが、何の叫びかわからない(笑)。「うわ~~!!」みたいな感じだったんですが、喜んでくれているのか、「いいな~!」の方なのか……わからないんですけど、予告も見てくれたみたいで、真似してくるのがすごくかわいらしくて嬉しいです。

――映画主演は、INIのメンバーの中でも「先陣を切って…」というような感覚はあるのでしょうか?

あまり考えたことはないのですが、やっぱり主演映画にINI楽曲を主題歌として選んでいただけたのは、少しでもグループにつながったような気がして、すごく嬉しかったです。

――撮影で大変だったことや、楽しかったことはいかがでしたか?

何もかもが初めてで、とりあえず苦戦はしたんですけど、直己の感情が読み取りづらいところがあって、 うまく表現するのが難しかったです。映画の中で直己自身もすごく成長していて、時間もどんどん変わっていってるんですけど、表に出ない。それが伝わりづらいのが難しいポイントで、「感情に出ないけど出てる」という絶妙な差し引きがすごい難しかったです。

――親友・成田役の山中柔太朗さんは、元々ダンススクールで木村さんが教えていた生徒だったそうですね。

そうなんです。柔太朗くんがM!LKとしてデビューする前に、何回かレッスンをしたことがあって。7年くらい前のお話なので、久しぶりに再会して、お互いにめちゃくちゃ嬉しかったです。映画が終わってからも何回か一緒にごはんに行ったりして、今でも仲良くさせていただいてます。

――初主演映画の撮影現場に元々知っている山中さんがいたのは、心強かったですか?

心強かったです。しかも柔太朗くんは年齢の割にはけっこう落ち着いているので、僕も同い年感覚でお話しできて楽しかった。7年前は、本当に“学生”という感じでしたし、僕もその時20歳とかだったんですけど、柔太朗くんのことも「まだまだ子供だな」と思っていました(笑)。でも久しぶりに再会して、 大人っぽくなった姿に感動しました。

元々は先生と生徒という関係性だったのに、いきなり親友の役で、撮影に入る前は関係性を作り出すのが難しいのではないかと不安だったんですけど、意外と、すんなり役に入れたと思います。本当に、エモい再会でした。

もしライバルだったら手強いと感じるメンバーは?

――今回は女子2人の争いと友情が面白いポイントでもあると思うんですが、実際に自分を巡って女子が争っていたら、ご自身はどういう風に行動されますか?

気が引けるし、申し訳なくなるかなというのが、素直な感想です。こんなことが現実に起こるのはなかなかないから、想像もつかないですね。でも、もし起こってしまったら、最初に「2人の関係性を崩したくない」と思うかもしれませんし、単純に2人と距離を取ってしまうような気がします。

――例えば、ライブでファンの方が「今、手を振ったのは私!」「いやいや、私!」となってしまったら…

その場合は、どっちに対しても「あなただよ」と言います。 受け取ってくださったら、それはもう「あなたのものです」ということです! 全員に向けているので、争いは起きないはずです。

――逆に自分が三角関係になったらどうしますか?

わかりやすく押しはしないと思うんですけど。決着がつくまで気持ちは変わらず、前進はすると思います。あこ子みたいに先手必勝で告白しておくみたいなことはしないけど、流れに身を任せて、終止符が打たれる時まで、前進し続けます。

――メンバーの中で「この人がライバルだったら手強いな」と思うのは誰でしょうか?

え~!? でも(後藤)威尊は、僕のことを「師匠」と言うまで慕ってくれていて。僕からしたら、おこがましいというか、「そんなことないよ」という感じなんですが、「そんなに慕ってくれているのなら、僕も負けないようにしないと」という気持ちにさせてくれるので、ある意味「ライバルとして頑張らないと」という気持ちになっちゃうかもしれません。

JO1やなにわ男子、芸能界の輪の広がりも

――今作は友情もまたテーマになっていると思うんですが、実際に人生の中で「友情って大切だな」と感じたこと、印象に残っているできごとはありますか?

やっぱり、メンバーが気にかけてくれると嬉しくなって「友情だな」と思いますし、特にステージの上では「この空間を作り出せるのはこの11人なんだ」と強く思うことがあって。そういう瞬間はメンバー愛とはまた違う、友情に近いものを感じます。助けてもらった分、助けたいし、助け合っていきたいと思います。

他にも、JO1の河野純喜くん、川尻蓮くん、與那城奨くんとか、すごく良くしてくれて。純喜は同い年でラフに接することができますし、そのみんなのおかげで出会えた、なにわ男子の大橋和也くんはたくさん連絡とかもしてくれて、自分の悩みも言いやすい関係性なので、友情が深い気がします。和也の話を聞いて、自分がちっぽけだったなと思うこともありますし、すごくありがたい存在です。

――輪も広がっているんですね。今後は俳優としてより進んでいきたいという思いはあるんですか?

元々興味はあったんですけど、今回、初映画、初主演としてがっつりやらせていただいて、第1歩を踏み出せたような気がしています。 これから第2歩、第3歩も踏み込んでいきたいですし、今後もいろんな作品に出会えたら幸せだなと、強く思います。

――例えば憧れの俳優さんはどなたでしょうか?

田中圭さんは、本当にいろんな役をやられていますし、出演されている作品も大好きで、演技もすごく好きなので、リスペクトしています。1度、INIとして田中圭さんがMCを務められている番組に出させていただいたんですけど、この気持ちは伝えられなかったので、もしいつか、役者としてお会いできる日があれば、自分の口から伝えたいです。

■木村柾哉(INI)
1997年10月10日生まれ、愛知県出身。2021年にPRODUCE 101 JAPAN SEASON2に参加しINIとしてデビュー。俳優としてはドラマ『君の花になる』(22年)に出演。今作が映画初出演・初主演となる。