伊IK Multimediaは、96kHzで動作するDSP、カスタム設計のクラスDアンプを搭載したリニアフェイズ・スタジオ・モニター「iLoud Precision」シリーズ向けのコントロールアプリケーション「X-MONITOR」を発表した。iLoud Precisionユーザーは無償でダウンロードできる。
「X-MONITOR」はリニアフェイズ・スタジオ・モニター「iLoud Precision」シリーズ向けに開発されたMac/Windows対応拡張コントロール用アプリケーション。iLoud PrecisionはARCキャリブレーション機能を内蔵しており、付属のMEMS測定用マイクロホンと、本体背面のCALボタンだけでもキャリブレーションが行えるが、X-MONITORを使えば、キャリブレーションの各ステップ、測定結果と補正後カーブを視覚的に確認できるので、より確実なキャリブレーションが実行できる。測定、補正結果を保存することで、複数の部屋に持ち込んで作業する場合でも、各部屋の設定をすぐに呼び出しできるようになる。
「Contour」画面では、ユーザーが好みに合わせて、特定の周波数帯域を調整可能。ARC補正をONにしている時は、一度フラットになった特性から調整が行える。カスタマイズされた設定はiLoud Precision本体に保存され、次にスピーカーの電源を入れたときも自動的に呼び出される。スタジオ定番モニターの周波数と位相特性をエミュレートした「ボイス」も、20種類以上収録。過去に聴き慣れた機種、クライアントが家で使っている機種のボイスを選択すれば、ミックスをより客観的に判断できるようになる。
また、iLoud Precisionのリアパネルから操作できるLF EXTENTION(超低域レンジの調節)、LF(低域)、HF(高域)、AUTO STANDBY (オート・スタンバイ)設定などを、マウスでリモート操作できる。それぞれの周波数ポイント、ゲイン加減幅も、リアパネルで設定するより詳細な調整が行える。
さらに、アプリケーション内に別売の「iLoud Precision Remote Control」を再現した4ボタン画面を用意。各ボタンには、厳密なリニア・フェイズ特性の「Precision」、聴きやすい「Comfort」、縦方向のスウィート・スポットを拡張した「Wide Dispersion」といった設定から、スタジオ定番モニター・スピーカー、クラシックなハイファイ・スピーカーの周波数、位相特性を再現したものなど、よく使うボイスのほか、ARC補正のON/OFF、ミュートといった機能を割り当て可能。アプリケーション画面右上の「縮小」ボタンをクリックすれば、4ボタン画面だけ表示できるので、スペースを独占せずに、iLoud Precisionの機能にアクセス可能となる。
なお、iLoud Precisionのアップデート、スピーカー・エミュレーションの追加が行われた際は、X-MONITOR画面より本体のファームウェア・アップデートを実行できる。最新のX-MONITORをインストール、起動し、USB接続されたiLoud Precisionのファームウェア・アップデートが必要なことが検知されると、画面上にアップデートを促すアラートが表示されるようになっている。