映画『そして僕は途方に暮れる』(2023年1月13日公開)の完成披露試写会が5日に都内で行われ、主演を務めるKis-My-Ft2・藤ヶ谷太輔をはじめ、前田敦子、中尾明慶、豊川悦司、原田美枝子、香里奈、三浦大輔監督が登壇した。
2018年にシアターコクーンで上演された同名舞台を映画化した同作。約6年ぶりに映画主演を務める藤ヶ谷と三浦監督が、舞台に引き続き再タッグを組む。また、藤ヶ谷と同様、舞台と同役での出演となる前田、中尾に加え、豊川、原田、香里奈ら実力派キャストが顔をそろえる。
フリーターの菅原裕一(藤ヶ谷)は、長年同棲していた恋人・里美(前田)と些細なことで言い合いになり、家を飛び出してしまう。親友・伸二(中尾)、大学の後輩・加藤(野村周平)、姉・香(香里奈)のもとを渡り歩くが、ばつが悪くなるとその場から逃げ出し、ついには、母・智子(原田美枝子)が1人で暮らす北海道・苫小牧の実家へ行きつく。だが、母ともなぜか気まずくなり、行き場をなくした裕一は、かつて家族から逃げていった父・浩二(豊川)と10年ぶりに再会する。
舞台挨拶の冒頭、舞台版からの出演となる藤ヶ谷、前田、中尾の3人は撮影時のエピソードを聞かれると、そろって「三浦組の撮影は長い」と回答。映画からの参加となり、藤ヶ谷の父親役を演じた豊川も、藤ヶ谷とこたつに入るシーンで監督からなかなかOKの声が出なかったと明かし、「ず~っと(こたつに)入ってました。もうめんどくさくなってテイクの間も入ったままでした」と過酷な撮影環境だったことを告白した。
その後も藤ヶ谷が「楽しい思い出が1つもなかった」とインタビューなどで語っていることに触れられると、藤ヶ谷は「本当に言葉の通りで、振り返ったときに楽しい思い出が1つもなかったなと……」と三浦監督に視線を送る。三浦監督が「楽しいに越したことはないんですけど、楽しければいいってものでもない」と返すと、藤ヶ谷も「お芝居をするという意味では最高でした!」とフォローした。
また、映画のタイトルにかけて、「今年逃げ出したかったこと・逃げてしまったことは?」という質問に、藤ヶ谷は「今日の完成披露舞台挨拶」と答え、「皆さんとお会いするのも、約2年ぶり。しかも、僕をはじめ楽しい思い出のない方が集まるのに、スタッフさんは“主演なので盛り上げてください”とか好き勝手に言うんですよ」と恨み節で笑いを誘う。続いて香里奈から「“今日は日本代表戦があるので、それに負けないように”と、舞台袖でも言われていたよね」と明かされると、藤ヶ谷は「サッカー(のスケジュール)は、僕にはどうしようもないじゃないですか! サッカーももちろんですが、こちらも大きく太文字でお願いします」と報道陣に訴えた。
最後に、三浦監督の「もしヒットしたら、2があるなんてことも……」と期待を寄せたコメントに、「や、やったー……」と控えめなガッツポーズを見せた藤ヶ谷。「よく見ると、ポスターとかの“途方に暮れる”の後ろにちょっとスペースあるんですよね」と続編の可能性を分析し、「あそこに2とか入れるのかなぁ……と(笑)」と笑顔を見せていた。