北野武監督がメガホンを取り、脚本・主演を務めるAmazon Original映画『Broken Rage』。“暴力”と“笑い”をテーマに同作を制作した理由について、北野監督が明かした。
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Amazon Original映画『Broken Rage』
北野武監督「暴力もお笑いも見る人によって捉え方が変わる」
同作は北野監督が脚本・主演を務め、“暴力映画におけるお笑い”をテーマに制作。約60分の映画を前半と後半に分け、前半では警察とヤクザの間で板ばさみになった殺し屋が生き残りをかけて奮闘する骨太のクライムアクションを、後半では前半と同じ物語をセルフパロディという手法を使ってコメディタッチで描き出す。主人公の殺し屋・ねずみ役をビートたけし(北野武)、ねずみに捜査協力を依頼する井上刑事役を浅野忠信、福田刑事役を大森南朋、麻薬売買を取り仕切るヤクザの若頭・富田役を白竜、クスリの売人役を國本鍾建がそれぞれ演じている。
自身のこれまでのキャリアでも初の試みとなった今作について、北野監督は「暴力もお笑いも見る人によって捉え方が変わる。それをうまく表現するのが映画だし、『これが暴力だ』とか、『これが愛なのか』ということをピックアップして結果として見せるっていうことがいちばん大事」と説明。「必ず反面の意味を持ってしまうというのは人間のおもしろいところ」とし、「ある人にとっては愛であるけど、反対の人にとってはとても悲しいことだったりする。暴力を行使する理由が愛であったりもするし、暴力は精神的な苦痛を伴うので、そういう意味ではお笑いは暴力だとも考えられる。暴力もお笑いも感情を揺さぶるもの」と解釈する。
映画監督としては“人間の暴力的な部分”をリアルかつ血生臭く描き、コメディアンとしては“笑い”をお茶の間に届け続けてきた北野監督。一見して対極に見えながら表裏一体である二つの要素がどのように融合しているのか、同作で明らかになる。
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