2月14日からAmazonのPrime Videoで配信スタートするAmazon Original映画『Broken Rage』の配信記念記者会見が5日、都内で行われ、北野武監督、浅野忠信、大森南朋、 白竜、國本鍾建が出席した。
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左から國本鍾建、大森南朋、 北野武監督、浅野忠信、白竜
北野武が監督・脚本・主演を務め、”暴力映画におけるお笑い”をテーマに製作。約60分の映画を前半と後半に分け、前半では警察とヤクザの間で板ばさみになった殺し屋が生き残りをかけて奮闘する骨太のクライムアクションを、後半では前半と同じ物語をセルフパロディという手法を使ってコメディタッチで描き出す。主人公の殺し屋・ねずみにビートたけし(北野武)、ねずみに捜査協力を依頼する井上刑事役に浅野忠信と福田刑事に大森南朋、麻薬売買を取り仕切るヤクザの若頭・富田役に白竜、クスリの売人役に國本鍾建がそれぞれ演じている。
配信での映画は初挑戦となった北野は「かなり自分としては実験的な映画ですが、グレードとしてはそんなに酷くないと思います。そんなにすごいとまでは言いませんが、お金を払って観ても損をするとは思わない感覚です。ここにいる役者さんたちが本当に上手くて一生懸命やってくれました」と作品の出来栄えには自信を。
北野作品は2023年に公開された映画『首』以来となる浅野は「現場でも新しいことをやったりして鍛えられた部分がありました。大森さんと監督さんが常にいてくれたので、そういう意味では本当に楽しい撮影でしたね」と刺激を受けた様子。一方の大森は北野作品の常連で、本作では浅野とともに刑事を演じている。「監督の前で笑いをやるプレッシャーたるや(笑)」とこれまでの作品とは異なった緊張感を感じたというが、「僕も浅野くんも半端ない緊張感の中にいましたが、現場にいるのが楽しくて幸せな時間を過ごさせていただきました」と北野監督に感謝した。
2024年8~9月にイタリアで開催された「第81回ベネチア国際映画祭」に正式出品されて高い評価を受けた本作。北野監督は浅野や大森とともに現地を訪れたが、「映画祭に参加するためにベネチアから乗ったボートに頭をぶつけて、日本に帰ってくるまで記憶がないんです。恥ずかしい話(笑)」と苦笑いで、「携帯で撮られた、映画が終わった後の反応を見せてもらって(反応が)良かったと思うんですが、ベネチアのことは本当に覚えてないんです(笑)」と笑いを誘う場面も。
また、タイトルに込めたメッセージとして「お陰様で『アウトレイジ』は3本、成功を収めて、ヤクザ映画として自分なりに昔のヤクザ映画じゃない現代的な撮り方で撮りましたが、それに対するパロディという意味もあって『Broken』にしました。そういう自分の映画時代のキャリアを壊すという意味でタイトルにつけました」と説明するも「あまり深い意味はないです(笑)」と照れ笑い。
続けて「映画は総合芸術としてNo.1だと思っています。それに関わり、それなりに仕事になっているのは非常にうれしいこと。今考えれば、コメディアンの舞台とか色んなモノを経験したのが最終的に映画につながっていくというような後付ですが、今のところ映画は自分が1番楽しめるエンターテイメント。それに関わることができて非常にうれしく思っています」と作品を作り出せる状況に充実した表情を見せていた。
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