映画『怪物の木こり』(12月1日公開)で主演を務める亀梨和也と三池崇史監督が、「第56回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭」への参加のためにスペイン・シッチェスを訪問。オフショットが公開された。

  • (左から)亀梨和也、三池崇史監督

同作は倉井眉介氏による同名小説の実写化作。凶器の斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生し、次のターゲットとして狙われたのは、弁護士・二宮彰(亀梨和也)。しかし二宮は、犯人をも凌駕する狂気のサイコパスだった。犯人を追う警察と、返り討ちを狙う二宮。追う者と追われる者がどんどん入れ替わっていく先読み不可能なサスペンスとなる。

10月5日~10月15日にスペイン・シッチェスで開催された「第56回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭」。同作は、スリラー・サスペンス・アクションなどの作品がセレクトされる ORBITA(オービタ)部門と、アジアの新作のショーケースであるFocus Asia部門の2部門に出品された。現地時間の13日に行われた同作のプレミアイベントには約1,200人の観客が集結し熱狂。レッドカーペットを歩き現地のファンと交流した亀梨は、「スペインに着いた当日のホテルのロビーや取材の合間でも、温かく出迎えてくれている感じがして、三池監督の作品を愛してやまない方たちの熱量の高さはもちろんですが、自分のことを知って来てくれる方たちもいてくださって、すごくありがたいですね」と笑顔で語っていた。

13日のワールドプレミアを前に、取材の合間を縫って亀梨は三池監督と共にシッチェスの街中を訪れスペインの空気を堪能。この度、2人が映画祭期間を満喫する様子がわかる現場レポートが到着した。

■亀梨和也&崇史監督、「第56回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭」に参加

ホテルを出た亀梨と三池監督は、映画祭の会場ともほど近い旧市街や海岸沿いを散策。今回スペインを訪れるのがはじめてだった亀梨は、「僕はバルセロナに到着して、衣装がロストバゲージになるというところからはじまりまして(笑)」と到着早々に起こったまさかのトラブルを告白した。この日の取材では三池監督とシッチェスの街を歩きながら、「どこを見ても絵になりますね。ワクワクします!」と終始笑顔を見せていた。これまで数々の国際映画祭に参加し、久しぶりのシッチェス訪問となった三池監督は、今回亀梨と共に訪問したことについて「シッチェスという街を、身をもって体験してもらいたいし、また何かの機会に、他の映画祭に行った時に、ここ独特の気配というのを感じてもらえたらと。どこに行ってもその映画祭、映画祭の個性があるし。そこはもう素直に体験してもらって、楽しんでもらえたらいいなと思っています」とコメント。さらに亀梨に楽しんでもらいたいポイントとして、「日中は日差しが暖かくて、みんなフレンドリーで、人間の強さやおおらかさを感じるので。にもかわらずホラーやスプラッター、ファンタ映画をみんなで観るっていう、このギャップというのが楽しいですよね。夜の劇場はまた全然違う部分があります(笑)。そういう感じを亀梨くんにも味わってもらえたらと」と翌日に控えるワールドプレミアを前にこの映画祭の魅力を語った。

翌13日にはワールドプレミアを前に、映画祭主催のフォトコールと記者会見に臨んだ亀梨と三池監督。到着日にロストバゲージとなった衣装が無事見つかり、この日亀梨は、フォトコールと記者会見にはそれぞれ事前に準備した衣装で、そしてワールドプレミアにはスペインで用意した衣装で参加した。フォトコールは海をバックにした絶好のロケーションで写真撮影が行われ、撮影後にはサインや記念撮影を求める現地の映画ファンが2人の元へ殺到。2人は終始笑顔で応じ、ファンとの交流を楽しんでいた。

その後に行われた記者会見で、「初めての三池監督との仕事はいかがでしたか?」という記者からの質問に亀梨は、「今回の作品にはもちろん血もたくさん出てきますし、壮絶な現場になるのかなと思いきや、非常に穏やかな現場でした。笑顔が素敵な監督でいらして、現場は作風とはまったく逆で、非常に楽しく過ごさせていただきました。作品についても、絵の強さはもちろんのこと、人間ドラマがしっかりと描かれていて僕も大好きな映画の1本になりました。次回またご一緒させていただける機会があるのであれば、さらに激しい、このシッチェスの皆さんが好きなものを存分に詰め込んだ作品でまた戻ってこられたら光栄です。そのためにしっかり準備したいと思います。『ハアーッ!』って(笑)」と笑いながら答えると、記者たちからも笑いが。

また、「サイコパス役をどのように自分の中に注入していったか」という役へのアプローチ方法を問われると、「派手にサイコパスというころを意識しないということを心がけていました」とした上で、「二宮というキャラクターの変化という点では、目の使い方、首の動かし方、目線の送り方というのは、僕なりに細かくこだわって演じました」と自身のこだわりを明かした。また、「なぜこのストーリーを選ばれたのでしょう、どういったところに惹きつけられましたか?」という質問に対して三池監督は、「サイコパスという、映画の中で度々描かれてきたキャラクターが主人公です。ただ、その中で主人公が今まで描かれてこなかった変化を見せる。そこがこの作品の一番の、今までに作られてきたサイコパス映画とはまったく違う物語。人間の物語だというところに興味を持って、そこをできるだけきちんと表現できるように撮りました」と本作がこれまでのサイコパス映画とは一味違う作品であると話した。

そしてワールドプレミアでは上映前の盛り上がりはもちろんのこと、上映中にも血しぶきの出る描写や衝撃的なシーンでは拍手や歓声が何度も起こるなど観客は熱狂、海外ならではの盛り上がりを見せた。上映終了後、三池監督も思わず「血に飢えているんですかね。スペインの人って(笑)」と笑いながらコメント。亀梨も「皆さんから満足だというようなリアクションがいただけたので、すごく安心しましたね」と安堵の表情を見せ、最後には「スペイン自体が本当に初めてだったので時間がない中ですけれど、いろいろ見ることができたのはよかったです。最後も皆さんがいい熱量でいてくださって、いい言葉もいただけて、ヨーロッパはもちろん、色々な場所から来てくれている方たちもいらっしゃったので、すごく嬉しかったです。シッチェスで感じたお客さんの熱量をエネルギーに、公開まではもちろん、公開後も駆け抜けていきたいなと思います」と今後に向けた意気込みを語った。

(C)2023「怪物の木こり」製作委員会