近年“ラスボス”と称され、幅広い世代から愛されている歌手の小林幸子。ディズニーランドの人気アトラクション“ホーンテッドマンション”を実写映画化した『ホーンテッドマンション』(9月1日公開)では、水晶玉の女マダム・レオタの吹替声優を務めた。来年には芸能生活60周年を迎えるが、第一線でパワフルに活躍し続けられる秘訣とは――。マダム・レオタ役の感想や自身のモットーについて話を聞いた。

  • 小林幸子 撮影:加藤千雅

■「甥っ子と姪っ子の子供に早く言いたくて仕方がない!」

東京ディズニーランドとアメリカのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートでアトラクション「ホーンテッドマンション」を体験したことがあるという小林は、マダム・レオタ役のオファーをとても喜んだという。

「アトラクションで最初に目につくのがマダム・レオタ。水晶玉の中にいて、『うわ~!』とびっくりさせられたマダム・レオタの吹替えを私がやるなんて、お話をもらったときはすごくうれしかったですし、ぜひやらせてくださいとお受けしました」

アフレコでは、マダム・レオタを演じるジェイミー・リー・カーティスの声を参考にしつつ、日本語でどう演じたらいいか模索したそうで、「重みのある声を心がけ、そして霊媒師という特殊な声の出し方を日本語でどんな風に演じたらいいか自分なりに勉強しました」と説明する。

小林は、マダム・レオタとして冒頭のナレーションも担当している。

「映画の最初のナレーションは初めてだったので緊張しました。最初の声ってすごく印象に残るもので、それを私がやらせてもらうなんて。どうしようと思い、家でたくさん『ようこそ』と練習し、いろんな声を録音して監督に選んでもらおうと思いましたが、『幸子さん、そのままでお願いします』と言われたので、普段の声とは違いますが、自分が思うマダム・レオタでやらせていただきました」

また、今回吹替えを務めて声優の凄みを改めて感じたと言い、「私もいろいろな声を使い分けられるようになれたら」と話した。

  • 小林幸子が吹替えを務めた水晶玉の女マダム・レオタ (C)2023 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

そして、マダム・レオタ役がどんな経験になったか尋ねると、「自慢です!」と満面の笑みを見せる。

「うちの甥っ子と姪っ子の子供に早く言いたくて仕方がない! ディズニー映画の声優をやらせてもらったことはありますが、『ホーンテッドマンション』という作品、そしてマダム・レオタという鍵を握っているキャラクターだからこそ、特に自慢したくなります」

■“ラスボス”愛称に喜び「面白がってくれたら」

レジェンド感のあるマダム・レオタ役は、“ラスボス”と称されている小林にとても合っているが、そもそも“ラスボス”という愛称は、『紅白歌合戦』のド派手衣装がゲームのラスボスに似ていることからからネット界ではかなり前から呼ばれていたらしい。

そして10年前にニコニコ動画の番組に出演した際に「ラスボス」というコメントが相次ぎ、MCに「ラスボスと呼んでいいですか?」と聞かれてOKしたことで公認となり、若い人たちを中心に呼ぶようになったという。

「びっくりしました。『ラスボス』って意味がわからないなと思いながら『どうぞ』とOKしたんです。番組が終わってからマネージャーに『ラスボスって何?』と聞いたら、『知らないでOKしたんですか!?』と驚かれて。教えてもらったら悪いヤツだって(笑)。でもOKしちゃったし、ある種のニックネームですから」

そこから「ラスボス」という愛称が一気に広がった。

「広がるのが早くてびっくりしました。歩いていたら『ラスボスだ!』『ラスボスが歩いている!』と言われたり。そりゃ歩くわよ(笑)。でもみんなが面白がってくれるならそれでいいんです」

“ラスボス”イメージから舞い込んでくる仕事もあり、今年4月に行われたディズニーのコンサートでは、『リトル・マーメイド』のヴィラン・アースラの楽曲を歌唱した。

「恐る恐る『ラスボスお願いします』とオファーをいただいたのがアースラで、『面白いからやらせてください』とお受けしました。アースラの歌を歌いましたが、自分とは全く違うものに憑依できてすごく楽しかったです。悪役もどこかかわいいところがあって、何か理由があって悪くなってしまったという、ディズニー映画ではそういうところも描くので素敵ですよね」

イベントに登場するたびに「ラスボス降臨」と話題を呼んでいるが、みんなから「ラスボス」と面白がって呼ばれることを本人も喜んでいる。

「面白がるって一番素敵なことで、それはつまり好奇心なんです。すべてそこから始まると思うので、そうやって楽しんでもらえているのはとてもうれしいです」