映画『キリエのうた』(10月13日公開)の完成報告イベントが都内で行われ、主演を務めるアイナ・ジ・エンドをはじめ、松村北斗、黒木華、広瀬すず、粗品、大塚愛、江口洋介、吉瀬美智子、奥菜恵、浅田美代子、北村有起哉、岩井俊二監督が登壇した。
同作は岩井俊二監督の最新作。時代や社会に翻弄されながら、懸命に生きる4人の物語を描いている。岩井監督がアイナの歌声に出会い、路上ミュージシャン役で初主演に抜擢した。
BiSH解散後、初の公の場となったアイナは、「正直、錚々たるみなさんを目の前にすると覇気がすごくて、階段の隅っこで呼吸を整えないと出てこれないくらい……」と緊張した様子。そして、「私は新生クソアイドルとしてBiSHを始めて、“楽器を持たないパンクバンド”という音楽が大好きでロックンロール一辺倒みたいな人だったんですけど、そんな私を岩井さんが見つけてくださって、拾ってくださって、本当に夢みたいだなと」と主演に抜てきされたときの心境を回顧する。
さらに、「でもこれを夢で終わらせちゃいけないんだなって思って、広瀬すずちゃんと松村北斗さんがいつも近くにいてくださったので、お芝居をリードしてもらってなんとかやり遂げられたなと思っています。本当に素敵な経験をさせていただきました」と達成感をにじませつつ、共演の松村と広瀬に感謝を伝えていた。
同作に出演しており、今回のイベントでMCを務める粗品から、「どうでしたか? 僕(の演技)」と聞かれるとアイナは、「いてくれて嬉しかった……」と話し、「緊張しているのかなと思って、3つくらいプレゼントをあげた」と明かす。しかし、そのプレゼントは、落ち葉、食べかけのもずく、食べきれなかったチョコレートといった内容だったそうで、粗品が「いらんわ! もうええわ!」とツッコミを入れるなど、仲の良さをうかがわせた。
また、今回のイベントではアイナが同作の主題歌「キリエ・憐れみの讃歌」を生歌唱。ダイナミックな歌声で集まった観客だけでなく、キャスト陣・監督も魅了した。歌唱を終えたアイナは、「きょう人様の前で初めて歌ったんですよ。よかった……」と笑顔を見せ、安堵の表情を浮かべた。歌唱を聴いた松村も「この歌声によってこの作品って図太いシーンができているなと、改めて思い出しました」とコメント。一方、アイナの歌唱を初めて生で聴いたという黒木は「今もドキドキしているくらい。作品を観ても、アイナさんが魂を削って、その削りかすがすごくキラキラして見えていたんですけど、生で観るとぞわぞわしていて……うまく言えないです」と言葉にならない様子で感動を伝えていた。