映画『キネマの神様』(8月6日公開)の完成披露試写会舞台挨拶が28日に都内で行われ、菅田将暉、永野芽郁、 野田洋次郎、北川景子、寺島しのぶ、宮本信子、前田旺志郎、山田洋次監督が登場した。

  • 前列左から山田洋次監督、菅田将暉、永野芽郁、 宮本信子、後列左から前田旺志郎、寺島しのぶ、北川景子、野田洋次郎

    前列左から山田洋次監督、菅田将暉、永野芽郁、 宮本信子、後列左から前田旺志郎、寺島しのぶ、北川景子、野田洋次郎

本作は、小説家・原田マハの同名小説を原作に、「松竹映画100周年記念作品」として山田洋次監督がメガホンを握る。ギャンブル漬けで借金まみれのゴウ(沢田研二)は妻の淑子(宮本信子)と娘の歩にも見放されたダメ親父だが、たった一つ「映画」を愛していた。 若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として撮影に明け暮れる傍ら、食堂の娘・淑子(永野芽郁)に恋をし、映写技師・テラシンとともに夢を語らい、青春の日々を駆け抜けていた。しかしゴウは初監督作品『キネマの神様』の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。半世紀後の2020年、『キネマの神様』の脚本が出てきたことで、沈みかけていたゴウとその家族は再び動き始める。

様々な困難に直面した完成までの日々を振り返りながら、山田監督は「一時はどうしようかと思い呆然としていましたが、沢田研二さんがピンチヒッターとして志村さんとは全く違うゴウを演じてくれました。大変な出来事を経て完成した作品となりますので、亡き志村さんを思い出しながら観ていただきたいです」と語る。

菅田は「志村さんとの本読みを見学してから撮影に入り順調に進んでいたなかで撮影が中止となったのでどうなるかと思いましたが、山田監督が新しく書き直した脚本を読んだ時、新しいパワーを感じました。沢田研二さんの演技はどこか志村さんを連想させましたし、確実にいろんなものが残っ ていてほかの作品にはない映画になっていると思います」と、自身にとっても特別な作品となったことを明かす。また北川は「実は本作の撮影中に子供を授かっていまして、1番に監督にご報告をさせていただいた時に『いいお母さんになってくださいね』と声をかけてくださって、嬉しくて涙が出てしまいました」と、エピソードを披露。

寺島も同じく監督との絆に背中押されたと言い 「役作りで悩んでいた時に山田監督が『僕は歩があなたでよかった』と背中を押してくれて、涙が止まらなくなってしまいました。この 出来事はこれからの女優人生で大切な宝物になりました」と振り返ると、前田も「山田監督が自分のためにアドバイスをしてくださって、時間を割いてくれたことが奇跡」とキャスト陣から続々と山田監督とのエピソードが飛び出した。

永野は山田監督からの意外な挨拶があったといい、「撮影の日の朝に『How are you?』と聞いてくださったことです(笑)。山田監督の英語を聞けた! という嬉しさと驚きがありました。私は、英語の敬語が分からなく…『I‘m Fine です』と返しました」と和気藹々とした空気を表していた。