映画『TANG タング』(8月11日公開)の公開直前イベント26日に東京・日本大学文理学部で行われ、二宮和也、満島ひかり、三木孝浩監督が登場した。

  • 左から三木孝浩監督、二宮和也、満島ひかり

    左から三木孝浩監督、二宮和也、満島ひかり

同作はイギリスのハートウォーミング小説『ロボット・イン・ザ・ガーデン』の映画化作。ゲーム三昧で妻に捨てられた、ダメ男・春日井健(二宮)はわけあって無職で人生に迷子中だが、ある日、家の庭に突然現れた記憶を無くした不良品ロボット・タングに出会う。迷子同士の運命の出会いは、ポンコツコンビの驚きにみちた壮大な冒険の幕開けとなる。

400名が集まったホールで試写が行われ、三木監督のみがトークをするはずだったが、サプライズで二宮、満島も登場し、学生たちは大盛り上がり。あらかじめ集めていた学生のお悩みに対し、登壇者陣が回答し、作中の「きっと大丈夫」というセリフを言うこととなった。

さまざまな悩みが集まる中、自分の進路を前に「自分の将来を決める上で大事なこと」を教えてほしいという学生には、3人が回答。三木監督は「こっちに行ったら間違っちゃうんじゃないかなと思って動けなくなることがあると思うんですけど、動けばどこかしら前進してて、また戻っても、そっちに行ったことはプラスになるし、動かないで何もしないことのほうがもったいない」とアドバイス。「動いていく先にやりたいことがこれだったと後から気づくことがあると思う」と優しく声をかける。

また二宮は「就職活動をしたことないけど、社会と置き換えるなら、学生時代がJr.の時代。その時代はみんな横並びで一生懸命頑張っていました。でも、デビューしてからその人たちを見たときに、横並びの人たちが縦に並んでいることに気づいて、自分がどこの何番目にいるのかわかるようになった」と振り返る。

その上で「自分のいやすい順番を確実に捉えていること。1番目でペースメーカーになりたいなら1番目に行く。でも2番目で人を見てついて行きたいんだったらついていく、ということ。学生時代には感じなかったですけど、デビューして社会に放り出された時に『あ、自分のいやすい場所はここなんだ』というのを見つけて、初めて自分の『じゃあここでできることは何なんだろう』とか『ここでやりたいことは何だろう』というのが自ずと見えて来た。皆さんも会社とかいろんなところに就職して初めて見えてくると思うんだけども、そこからでもおかしくないのかなと思うので」と回答。「入って順番がわかって、『あ、これじゃなかったんだ』思ったら辞めちゃって、次のステップの道に進んでもいいと思うので、そんなに気にせず時間が解決してくれるのかな」と語った。

満島は「私はもう21とか22とかそのくらいの時を考えると、記憶がないくらい毎日不思議な時間を過ごしてた気がして。いろんな不思議な大人たちと話して、いろんな友達との会話も不思議。不思議な夜を超えることが将来につながるんじゃないかな」と表す。「迂回してみんなより遅くて良いからぐるぐる回って行きたいというタイプだったので、一見無駄に見える時間があとから奇跡みたいにいろんなことを起こしてくれる」と自身の経験を明かし、「大人になって初めて出会う職業の人もいて、子供の頃に知ってたらこの職業になりたかったかもと思うような職業の人、たくさん出会う。これと決めずに、目指してるところから外れているように見えても、外れてる職が世の中にあったりするので、いろんな人に尋ねて遠回りしてみてみるのもいいかなと。とにかくたくさんな不思議な夜と、朝と昼を過ごしてください」と答え、最後には3人で「きっと大丈夫」と声を揃えていた。

  • 「きっと大丈夫」と言っている二宮和也