パナソニックは、テクニクス(Technics)ブランドの新製品として、プレミアムクラスのネットワークCDレシーバー「SA-C600」と、同製品にデザインを合わせたブックシェルフスピーカー「SB-C600」を2月25日に発売する。価格は、SA-C600が11万円、SB-C600がペアで11万円。

  • 「SA-C600」(中央)と「SB-C600」(左右)を組み合わせたところ

SA-C600は、パナソニックがCES 2022に合わせて海外発表した新製品。SB-C600は2021年に海外市場で発売済みで、今回、両製品の国内での発売が決定したかたち。これらを組み合わせると一体感のあるコンパクトなオーディオシステムが出来上がる。

  • ネットワークCDレシーバー「SA-C600」

  • ブックシェルフスピーカー「SB-C600」

SA-C600

CDプレーヤー、ネットワークプレーヤー、アンプなどを高さ85mm(CD部トップカバーの高さを除く)の薄型コンパクトなボディにまとめた一体型オーディオ。音楽CDやBluetooth、FMラジオといった音楽ソースの再生に加え、PCやNAS、最大2TBまでのUSBメモリーに保存したハイレゾ音源も楽しめ、MQA音源のデコードにも対応。好みのスピーカーを追加するだけで、さまざまな音楽コンテンツを再生できるオーディオシステムとなる。

上部のトップローディング方式CDを中心に配置したデザインを採用。手動開閉式のスライドドアを開けてディスクをセットする。再生中に回転するディスクの様子を照らし出す機能を備え、「ディスク再生ならではの音楽と触れあう楽しみを深める」としている。CD再生関連では、ハイレゾ信号に変換する「CDハイレゾ リ.マスター」機能も備える。

  • トップローディング方式のCD再生部

  • 薄型コンパクトなボディにまとめた

ネットワーク再生も可能で、Chromecast built-inとAirPlay 2をサポートし、対応する音楽ストリーミングサービスなどの楽曲を再生できる。Amazon MusicやDeezerのほか、Spotify Connectにも対応する。インターネットラジオ機能も受信できる。

Bluetooth 4.2に準拠し、対応コーデックはSBC、AAC。無料の専用アプリ「Technics Audio Center」を使い、音楽ソースの選択や設定の切り替えなどの各種操作をスマートフォンやタブレットから行える。

独自のフルデジタルアンプ「JENO Engine」を搭載。デジタル信号のゆらぎ(ジッター)を低減する回路や、高精度なPWM変換回路で構成しており、「デジタル音源の高解像度な音の再現はもちろん、アナログ音源の柔らかな感触まで豊かに再現する」としている。最大出力は60W×2ch(4Ω時)。

  • フルデジタルアンプ「JENO Engine」

また、スピーカーの設置場所に合わせて最適な音質に補正するSpace Tuneも搭載。棚の中に置く「In a Shelf」など、4つのプリセットから適したものを選び、設置環境に応じた最適なサウンドを実現する。

  • Space Tuneの利用イメージ

音声入力端子は、光/同軸デジタル、アナログRCA、サブウーファー出力、3.5mmミニのヘッドホン出力を各1系統装備。テレビと光デジタル接続すると、本体の電源がテレビの電源と連動する。MM方式のフォノイコライザーアンプを備え、アナログレコードプレーヤーとの接続にも対応する。ネットワーク関連では、IEEE 802.11a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)準拠の無線LAN機能と、LAN端子を装備する。

  • デモ機を背面から見たところ

  • 背面

消費電力は46W。電源部は、アンプ専用の電源を独立搭載する「Twin Power Supply Circuit System」によってノイズや干渉による影響を抑える設計で、独立した2つのトランスを備え、それぞれに電源を供給。また、この専用トランスとアンプ部回路を最短距離で接続することでローノイズ化を追求した。

テクニクスのオーディオコンポーネントのデザインを踏襲し、トップパネルにはヘアライン仕上げのアルミニウム材(3mm厚)を採用。ターンテーブル「SL-1500C」や「SL-1200MK7」のボディ部と高さをそろえた薄型フォルムを採用し、デザインのテイストを合わせている。本体サイズは340×341×94mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約4.8kg。リモコンやアンテナ、電源ケーブルなどが付属する。

  • 付属のリモコン

SB-C600

テクニクスの点音源・リニアフェーズ思想を受け継いだ、2ウェイ2スピーカー構成のブックシェルフスピーカー。2.5cmドームツイーターと15cmウーファーによる同軸2ウェイユニットを搭載し、エンクロージャーはバスレフ型で、フロント側にポートを備える。

  • SB-C600のカットモデル。内部構造が見える

同軸2ウェイユニットは、2021年発売のフロア型スピーカー「SB-G90M2」と同じく、「Advanced Phase Precision Driver」と名付けている。

ツイーター、ウーファーともにアルマイト処理を施したアルミニウム振動板を採用し、ツイーターには、高域の位相ずれに起因する特性の乱れを補正する真鍮製パーツ「Linear Phase Plug」を追加。ウーファーには、浅型振動板とバッフルまでをスムーズにつなぐ形状の「Smooth Flow Diaphragm」を採用することにより、広いサウンドステージと滑らかで透明感のある中高域を追求した。

ユニットの固定には、SB-G90M2と同様に「重心マウント構造」をテクニクスのブックシェルフスピーカーとして初めて採用。振動解析技術や筐体最適化設計により、不要振動を抑えて「粒立ちの良い音・立体的な音場」を実現。また、流体解析に基づき新たに設計したポートを採用し、「低ノイズでレスポンスの良い低域再生」を追求した。

高品位パーツを厳選したネットワーク回路や、真ちゅう製のスピーカー端子を採用。エンクロージャーはマットブラック仕上げで、「SA-C600」やターンテーブル「SL-1500C」とも共通する四角と丸を組み合わせたデザインを採用し、設置時のまとまりの良さを演出する。

周波数帯域は40Hz~100kHz(-10dB)。クロスオーバー周波数は2kHz。インピーダンスは4Ω。1台あたりの本体サイズは173×283×293mm(幅×奥行き×高さ/ネット部8mmと背面端子つまみ15mmを含む)。重さは約6.3kg(スピーカーネットを含む)。長さ1.5mのスピーカーケーブルと、スピーカーネット×2を同梱する。

  • 背面

  • SB-C600には上記のSA-C600や、ターンテーブル「SL-1500C」とも共通する、四角と丸を組み合わせたデザインを採用