アユートは、Astell&Kernのハイレゾプレーヤーを一体化した持ち運び可能な高出力ヘッドホンアンプ「ACRO CA1000」を1月22日に発売する。価格は29万9,980円。カラーはMoon Silver。

  • ACRO CA1000(ディスプレイを起こしたところ)

“原音に忠実”という同ブランドの理念に基づき、ヘッドホンアンプを“再定義”し、高性能アンプとデジタルオーディオプレーヤーを一体化した「キャリアブルヘッドホンアンプ」。外部電源を使わず内蔵バッテリーで動作する。2022年1月に海外発表され、国内代理店のアユートが詳細発表を改めて行うとアナウンスしていたが、今回発売日や価格、正式な仕様が決まったかたちだ。

  • 上面

火星の過酷な環境を走破するローバー(探査車)にヒントを得たデザインを採用。「(岩肌の上を進む)強力なパワーを備えた探査車は、CA1000の強力な出力とさまざまなパフォーマンスに似ている」としており、AKならではのユニークなトライアングルカットとホイールデザインを採り入れ、携帯性と直感的な使いやすさ、調和のとれたデザインを融合させた。

本体はアルミニウム製で、上部に4.1型/720×1,280ドットのタッチ操作対応スクリーンを備え、最大60度まで自由に角度を調整できる。側面にはボリュームホイールを備え、「どんな障害物も乗り越える探査車のような金属製のホイール」を表現している。

  • ディスプレイを閉じたところ

前面に3.5mm、6.35mmのアンバランス出力と、2.5mm、4.4mmのバランス出力を搭載。最大出力15Vrmsで、4段階のゲイン設定が行え、あらゆるヘッドホンやインイヤーモニター(IEM)を駆動できるとする。また、微小な独立リレー部品を採用し、物理的に分離。使用しないコネクターをリレーで完全に遮断することで、独立した回路構成によるノイズレスな出力を可能にした。

さらに、背面には光/同軸デジタルやUSB Type-Cといったデジタル入出力、RCAのアナログ入出力も備え、オーディオシステムとしても利用できるという。なお、出力端子にイヤホンやヘッドホンを2本以上接続すると、最後に接続した機器に音声を出力する仕様だ。

  • 背面

ESSのDACチップ「ES9068AS」を4基搭載し、最高384kHz/32bitまでのPCMとDSD512(22.4MHz)のネイティブ再生をサポート。さらに、原音再生のための独自技術「TERATON ALPHA(テラトン・アルファ)」サウンドソリューションも組み込んだ。トラック間で一貫した再生音量レベルを維持するリプレイゲイン機能も利用できる。容量256GBのストレージを内蔵し、最大1TBまでのmicroSDカードが利用可能だ。

ヘッドホンで自然な音響体験を可能にする「クロスフィード」機能を搭載。片方のチャンネルのオリジナル信号の一部をミックスし、その信号を時間差で反対側のチャンネルに送り、音像を中央に定位させる機能で、「スピーカーで聴くような自然なサウンドを可能にする」としている。シェルフカットオフ、シェルフゲイン、ミキサーレベルなどの詳細設定により、ユーザーの好みに合わせたクロスフィードレベルを設定可能だ。なお、同機能は192kHz/24bit以下のPCM音源のみ対応する。

Bluetooth 5.0に準拠し、高音質コーデックのaptX HDとLDACをサポート。ACRO CA1000をBluetoothレシーバーとして使う「BT Sink」を利用できる。また、デュアルバンドWi-Fi(2.4GHz/5GHz対応)を備え、音楽ストリーミングサービスの楽曲を再生したり、同じネットワーク上にあるPCやスマートフォン、FTPプログラムなどを使ってワイヤレスでファイル転送できる「AK File Drop」を利用したりできる。

容量8,400mAhのバッテリーで、約10.5時間音楽を再生可能(44.1kHz/16bitのFLACを低ゲイン設定のアンバランス出力で音量40で聞いた場合。画面はオフ)。ノイズ干渉を抑える銀メッキシールドを採用するなど、音質にこだわった設計も採用している。本体サイズは104.9×148.8×45mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約919g。