著者 松田康生（まつだやすお）楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
ポイント
・概ね20,000ドル前半でのもみ合い
・一目均衡表の基準線（9月13日の高値と22日の安値の半値戻し）で上値抑えられる
・FRBのタカ派姿勢が修正されるとの楽観的な見方は後退
・米雇用統計を明日に控え小動きか
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は高値圏でのもみ合い。
一昨日に20,000ドル（約290万円）台乗せに成功すると、概ね20,000ドル台前半でのもみ合い推移が続いた。
週明けの英政府の減税策一部撤回、弱めの米指標や豪中銀（RBA）の利上げ幅縮小などを受けFRBの引締め鈍化期待によるリスクオン相場を受け、BTCは20,000ドル回復に成功。未明のEマスク氏によるTwitter社買収再開を受け、20,000ドル半ばまで上昇した。
9月13日の高値と22日の安値の半値戻しとなる20,500ドル近辺で上値を抑えられると、今度は米長期金利が上昇、通貨ユーロドルがパリティ（EURUSD＝１）トライに失敗するなどドル買いの流れが強まり、BTCは下落。
更に、英保守党大会でトラス首相が減税策は道徳的にも経済的にも正しいと演説したことを嫌気し英ポンドが下落、加えてOPECプラスで日量200バレルの増産が合意される見込みとなる中、米株は大きく下げ、BTCも20,000ドルを割り込んだ。
しかし米長期金利の上昇が一服、米株が切り返し、ユーロも上昇に転じると、BTCは20,000ドル台を回復している。
