タリバンがアフガニスタンを支配したことで、現地の仮想通貨市場に「大きな萎縮効果」をもたらし、事実上「停止」状態に陥っている。
ブロックチェーン分析会社チェイナリシスは10月5日のレポートで、中東・北アフリカ(MENA)地域の仮想通貨市場は2022年に大きな成長を見たが、アフガンの仮想通貨ディーラーは3つのオプションを持っていると指摘した。「国外逃亡、業務停止、逮捕のリスク」だ。
レポートによると、2021年8月にタリバンが政権を奪取した後、同年8月と9月に受け取った仮想通貨の価値は1億5千万ドルを超えるピークに急騰し、翌月に急落した。
タリバンによる支配の前、アフガニスタンの市民は主に送金に使われる仮想通貨を毎月平均6800万ドル受け取っていた。この数字は、タリバン支配後、現在では8万ドル未満に減少している。
アフガニスタンは、2021年10月に発表されたチェイナリシスの2021年仮想通貨導入指数では20位だったが、タリバンの乗っ取りにより現在は最下位となっている。
アフガン国内のイスラム法の実施を担当する「勧善懲悪省」が復活したことが理由だ。チェイナリシスは、同省が仮想通貨をギャンブルと同一視し、ハラーム(イスラム法で禁じられているもの)と宣言したと説明している。
チェイナリシスに引用された匿名の情報源によると、この国でまだ行われている仮想通貨活動の大部分は、賄賂や麻薬などの不正な資金源からのマネーロンダリングによるものだという。さらにこの情報源となる人物は、デジタル資産をデイトレードするのは「数百ドルを持っている若い人たち」だけだと付け加えた。