インテルの「vPro」は、ビジネスユーザー向けPCにおける運用管理機能への対応要件を満たしたハードウェアであることを示すプラットフォーム・ブランドだ。今年の9月7日、これが2006年の誕生から15周年を迎えたことを受けて、同社日本法人がPC Forum 2021と題するイベントを開催した。これまでのvProの15年を振り返るとともに、テレワーク・リモートワークの定着や、ますます重要となるセキュリティ対策など、新時代のvProで目指す進化の方向性が示された。

  • インテル「vPro」が15周年、今求められる「新しい働き方」への対応

    インテルの「vPro」が15周年を迎えた

目まぐるしい環境変化に対応し続けたvPro

全世界で2億台以上のシステム導入実績を積み上げ、今年も60機種を超える採用ノートPCが市場投入されるvProが登場したのは、今から15年前の2006年9月7日。CPUでいえば「Core 2 Duo」が主力だったころだ。その後、情報セキュリティ対策や運用管理への要求は高まり続け、今日ではさらに在宅勤務の急拡大と恒久化の波がやってきている。

  • vProの15年を振り返る年表。ビジネス環境への最適化を目指した機能強化を重ねてきた

  • 今年も多くのvPro採用ビジネスノートPCが登場している

vProでは当初より、ビジネスクラスのパフォーマンス、組み込み済みのセキュリティ基盤、IT部門に必要な管理機能、PCの中長期的な安定稼働という4つの柱に基づいて技術を提供することを目指していたという。20周年に向けては、「新しい働き方」に対応できる、新しい時代のビジネスPCが必須になるというのが同社の見方だ。

リモートワークに代表される新しい働き方へのシフトにより、vProの導入企業は、すでに従来の大企業中心から、様々な規模の企業へのひろがり、用途も多様化しているといい、一層、多様な顧客の用途に最適なPCとして、パートナー企業と協力して技術を進化させていく方向性が示された。

  • 「新しい働き方」の普及で、ニーズに変化が

最後にイベントでは、PCへの需要が高まる一方、世界的な半導体不足で供給が追い付いていない問題についての現状報告もあった。2021年の世界半導体需要は、前年比で20%近い増加も予測され、かつてない規模になることが見通されている。インテルとしても半導体製造能力の増強を進めているが、ファブの建設期間や半導体量産ラインの構築などは、通常1年以上などそれなりに長い期間を必要とする。半導体の供給改善はかなり先になるだろうというのが同社の見立てだ。少なくとも、今年後半に解消するといった楽観的な見通しは持てない状況だ。

  • 半導体不足はしばらく解消しそうにない。ただ、体制の見直しは進んでいるので、あとは時間が解決するとも考えられる