米Appleは3月26日(現地時間)、開発者カンファレンス「WWDC(Worldwide Developers Conference)24」を6月10日〜14日の日程で開催すると発表した。前年と同様オンライン形式(全セッションに無料で参加可能)で、初日の6月10日にApple Park(米カリフォルニア州クパチーノ)で基調講演のパブリックビューイベントを実施する。
WWDCでは、基調講演でOSの次期バージョンを披露し、終了後に開発者向けプレビュー版の提供を開始するのが恒例となっており、開発者だけではなくApple製品ユーザーからもAppleのプラットフォームの最新情報を得る場として注目されている。発表でAppleは、「最新のiOS、iPadOS、macOS、watchOS、tvOS、visionOSの進化について紹介します」とのみ述べており、現時点で詳細は明らかにしていない。例年通りであれば、State of the Union、技術セッション、1対1ラボでの技術ガイダンスなどが提供される。
基調講演およびビデオセッションは、Apple Developerアプリ、Webサイト、そしてYouTubeで配信する予定で、Appleは新たにYouTubeにApple Developerチャンネルを開設し、WWDC 23のビデオセッションを視聴できるようにした。
初日の基調講演でハードウェア製品が発表されることもあり、昨年のWWDC 23では15インチM2搭載「MacBook Air」、M2 Max/M2 Ultra搭載の「Mac Studio」、M2 Ultra搭載の「Mac Pro」、そして「Apple Vision Pro」が発表された。今年のWWDCで特に注目を集めそうなのが、2月に米国で発売されたApple Vision Proである。Vision Pro向けに開発されたアプリの増加が空間コンピューティングの普及につながるため、最初の段階としてその可能性を開発者に示し、アプリ開発をサポートしていくことが重要となる。そのため、世界中の開発者が参加するWWDCに合わせてVision Proの販売を米国以外の国に拡大、またはWWDCにおいて今後の販売拡大に関する情報が提供される可能性が高い。
また2月に、2023年10〜12月期決算の説明会においてTim Cook氏(CEO)が、AIへの投資と取り組みについて「今年(2024年)後半には詳細をお伝えできるだろう」と述べており、AIも注目が集まるトピックの1つになっている。
新型コロナ禍をきっかけにWWDCはオンラインイベントに移行したが、WWDC 22から一部のアプリ開発者や学生をApple Parkに招待し、基調講演のパブリックビュー、アップル技術者との交流の場を提供する特別イベントが実施されている。WWDC 24の特別イベントの応募資格は、Apple Developer ProgramまたはApple Developer Enterprise Programのメンバー、Apple Entrepreneur Campの修了者、Swift Student Challenge(2022 to 2024)受賞者などで、参加希望者はWWDC 24のWebサイトから応募することができる。