女優の長澤まさみが、葛飾北斎の娘・葛飾応為の生涯を描いた映画『おーい、応為』(10月17日公開)で主演を務めることが23日、明らかになった。長澤は時代劇映画初主演となる。

映画『おーい、応為』のティザービジュアル
芸術が男社会であった江戸時代、稀代の絵師・葛飾北斎を父に持ちながら、数少ない女性絵師として名を馳せた人物・葛飾応為。北斎も認めたほどの才能を持ちながら、煙草を愛する豪快な一面も併せ持つ彼女の生涯が、映画として描かれることとなった。
主人公・応為を演じるのは、長澤まさみ。これまで数々の話題作で輝きを放ってきた彼女にとって、本作が時代劇映画への初の主演作となる。メガホンをとるのは、映画『MOTHER マザー』(2020年公開)で長澤とタッグを組み、彼女を数々の映画賞受賞に導いた大森立嗣監督。監督にとって初の時代劇挑戦となる本作で再び長澤を主演に迎えた大森監督は「この映画の長澤まさみは最高かもしれない」と最大級の賛辞を送る。
一方の長澤は、自身が演じた応為について「人の目を気にせず自由に生きる姿は現代の女性の匂いを纏っていて、カッコいい。知れば知るほど味わい深い人物」と感想を。絵や北斎に対し人生そのものをかけたような応為の姿に「勇ましく神々しい。その全てに憧れを抱きながら演じていました」と役への深い共感をにじませた。大森監督もまた、長澤演じる応為の佇まいに強い印象を受けたと振り返る。「長澤さんは、応為として、ただの1人の誰かとして、そこにいたのだと思います」と話した。
父・北斎から「おーい」という呼びかけに由来する「葛飾応為」という画号を授けられたお栄。茶も針仕事も苦手ながら、親譲りの画才と豪胆さで男社会を駆け抜けた先駆的な女性アーティスト、彼女の知られざる物語への期待は高まる。
【編集部MEMO】
長澤まさみは、1987年6月3日生まれ。37歳。静岡県出身。1999年度の東宝シンデレラオーディションに応募し、当時史上最年少の12歳でグランプリを獲得して芸能界入り。2000年に公開された映画『クロスファイア』で女優デビューを果たす。以降は映画『ロボコン』(2003年公開)、『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年公開)、『モテキ』(2011年公開)など次々と話題作に出演。受賞歴も多数で、日本アカデミー賞(新人俳優賞、最優秀助演女優賞、最優秀主演女優賞など)、ブルーリボン賞(主演女優賞など)、日刊スポーツ映画大賞(主演女優賞など)などを受賞している。最新作の主演映画『ドールハウス』が6月13日より公開予定。