女優の橋本愛が主演を務める映画『早乙女カナコの場合は』(公開中)の本編映像が14日、公開された。

  • 映画『早乙女カナコの場合は』

柚木麻子氏の小説『早稲女、女、男』を、『三月のライオン』『ストロベリーショートケイクス』などで知られる矢崎仁司監督が実写映画化した同作。男勝りで過剰な自意識ゆえに素直に甘えることができず、本当は誰よりも純粋で不器用な主人公・早乙女カナコ(橋本)と演劇サークルの先輩・長津田(中川)の10年にわたる恋愛模様を中心に、彼女たちと周囲の人々が右往左往しながらも各々が自分を見つめ直していく姿を描く。

映画『早乙女カナコの場合は』本編映像を公開

今回解禁されたのは、演劇サークル「チャリングクロス」のメンバーが、カナコ(橋本)の出版社への内定を祝う場面から始まる本編映像。

カナコは長津田(中川大志)と喧嘩をきっかけに疎遠になっていたが、久しぶりに会うということにどこか緊張気味。会場に到着すると、目に飛び込んできたのは長津田とサークルの新入部員・麻衣子(山田杏奈)の親しげな様子だった。カナコはせっかくセットした髪を後ろに結び、ジェラシーを抑えきれず苛立ちを募らせる。

周囲からは大手出版社の内定獲得を称賛されるものの、長津田が「インターンシップに潜り込んで、散々こき使われて……今頃内定もらってもすごくねぇよ」と冷ややかに放つと、カナコも「卒業もできない人に言われたくないんですけど」と鋭く応戦。

さらに長津田は「紙の本の未来なんて真っ暗じゃないか。死ぬほど努力して、わざわざ泥舟の業界を選ぶこと自体、俺には無意味に思えるね」と皮肉を込めると、カナコは「うるせぇ。脚本家目指すとか言って一本も書いてないくせに。悔しかったら鮫島文学賞の候補にでもなってから出版批判しろよ」と痛烈な言葉を投げつけ、祝福の場は一転し、二人のプライドが激しくぶつかり合う修羅場となってしまう。

同シーンの撮影時、原作者・柚木氏も現場を訪れていたそうで、撮影に使われた居酒屋を見た瞬間、「取材時に訪れた店とそっくりだ!」と驚き、空間の雰囲気だけでなく店内に漂う匂いまで同じだったと語った。

【編集部MEMO】
映画『早乙女カナコの場合は』は、主人公・早乙女カナコ役を橋本愛、長津田役を中川大志が演じるほか、山田杏奈、臼田あさ美、中村蒼、根矢涼香、久保田紗友、平井亜門、吉岡睦雄、草野康太といった若手から実力派まで幅広い俳優陣らが出演する。