映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズで9年間にわたって銀河一凶暴なアライグマ・ロケットの日本語吹替版声優を務めたお笑いコンビ・極楽とんぼの加藤浩次にインタビュー。ロケットとの共通点や俳優業への思い、そして54歳の抱負を聞いた。

  • 加藤浩次 撮影:蔦野裕

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)でアベンジャーズの一員として世界を救った、銀河一の落ちこぼれチーム“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”。最新作にして最終章となる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(公開中)では、彼らの前に、銀河を完璧な世界に作り変えようとする最凶の敵ハイ・エボリューショナリーが現れ、宇宙一凶暴な毒舌アライグマ・ロケットに命の危機が迫る。そして、銀河一の落ちこぼれチーム vs 最凶の完璧主義者、全銀河の運命をかけた“最後の戦い”が幕を開ける。

2014年公開の第1作からロケットの日本語吹替を務めた加藤は、“狂犬”キャラを活かしてハマリ役に。「感情を抑えられないところは共通点だと思います(笑)。ロケットの気持ちもわかりますから」と自身も共感する部分が多かったようだ。

続投決定の際には「9年経つと狂犬感もずいぶん薄れているんですよね。でも今回はラストですから、心の底に沈んでいる狂犬をもう一回呼び戻して、アフレコしたいと思っています」とコメントしていたが、実際のアフレコでは「“狂犬”を呼び起こす必要はなかったです(笑)」と振り返る。

先日行われた公開直前イベントでは“狂犬”ぶりを発揮し、イベントを盛り上げていた加藤。「まだ眠ってないですね」と笑った。

同シリーズは今回で完結となるが、自分らしさを活かして次にどんな役を演じてみたいか尋ねると、「見出してほしいです」と期待。

「こんな役をやりたいと言って仕事が来るわけではないですし、そういうことは考えていませんが、ロケット役も僕が“狂犬”と呼ばれていたことや声質で選んでいただき、感謝しています。見出してもらったという感じがすごくあるので、また優秀な方たちに見出してもらえたらうれしいです」

これまで数々のドラマなどにも出演。TBS系日曜劇場『ブラックペアン』(2018)では医療ジャーナル誌の編集長役を演じ、存在感を放った。

今後も演技は「全然やりたいです」と前向き。演じるのは「楽しい」と言い、「最初の頃はどうかなと思いながらやらせてもらっていましたが、楽しくなっていきました」と語る。

楽しくなっていったきっかけを尋ねると、「自分で楽しもうと思うようになったら、楽しめるように。そのほうがうまくいくんだなということもわかったので」と回答。演技のみならず、すべてにおいて「楽しもう」と意識するようになったという。

「『うまくやろう』とか『褒められたい』と思ってやると大体失敗していたんです。肩に力が入りすぎちゃって。そういうのを全部捨てて楽しんでやったらどうなるのかなと思ったら、肩の力が抜けてうまくいくことが多かったので、そういう風に切り替えたのかなと思います」

その変化は何か一つの仕事がきっかけになったのではなく、いろいろな仕事をしていく中で気づいていったのだと明かす。

「『スッキリ』もやっていたし、バラエティやラジオなど、いろいろやっている中で気づけたのかなと。40代になってからだと思います。なので『ガーディアンズ』もすごく楽しんでできました」