アナログボードゲームも、Steamゲーやスマホアプリ、ウェブサイトなどで遊べる時代。本心では皆で1つのテーブルを囲み、対面でプレイしたいと思いつつも、中々人と会い辛いこのご時世。学生時代は自室に仲間を招き、ボードゲームをプレイしていた筆者も、すっかりオンラインで遊ぶようになりました。
今回紹介するのは、名作ボードゲーム「Dominion(ドミニオン)」のアプリ版。カードを購入し、デッキを構築することを中心としたゲームで、革新的なシステムが人気を博し、様々な賞を総なめにした他、アナログ・デジタル問わず「デッキを構築する」ことを中核に置いたフォロワーゲームを生み出すなど、大きな影響を与えた作品。筆者もかなりやりこんだゲームで、友人と徹夜でやり続けていたことも。そんな本作のアーリーアクセス版がSteam、iOS、Androidにてリリースされました。基本無料で、カードを追加する拡張セットが有料となっています。
これまでもブラウザ上でドミニオンをプレイすることは可能でしたが、そちらは拡張の購入法がサブスクリプション制という違いがあります。そして何より、今回紹介するものはスマホアプリ版があることが最大の特徴。いつでもどこでも、「ドミニオン」がプレイできるようになるんです。
尚、本記事で使用する画像はSteam版のもの。全て英語ですが、公式によると今後日本語にも対応するとのことです。日本語化するまでは「ドミニオン」経験者以外はやや触り辛いですが、対応したら未経験者にも是非プレイして欲しいです。
■後世に大きな影響を与えた「デッキを構築するゲーム」
「ドミニオン」はカードのみを使用するタイプのボードゲームで、場にあるカードを購入しながら「デッキを構築する」ゲーム。最初に手元にあるのは僅かな資金(銅貨)と領地となる屋敷(得点)だけです。そこから、場にある様々な効果を持った「王国カード」や、銀貨や金貨といった「財宝カード」、公領や属州といった「勝利点カード」を購入していき、ゲーム終了時に最も多くの得点を手にしたプレイヤーが勝利するというものです。
王国カードは、様々な効果を持った「アクションカード」や、特殊な効果を持った勝利点カードなどがあり、無料で使用できる基本セットには全26種類が存在します。ゲームはこの中から選ばれた10種のカードを使用して行うので、毎回違うカードの組み合わせで遊ぶことができ、異なる展開のゲームが繰り広げられることとなります。
さて、本作の魅力といえばやはりアクションカードの組み合わせで作るコンボです。アクションカードは、山札からカードを引くものや、1ターンに1回しか行えないカードの購入やアクションの回数を増やしてくれるもの、相手を妨害するものなど様々な物が存在し、特定の組み合わせはとても強力なコンボとなります。
例えば、「1ドロー 、+2アクション」という効果を持った「村」と3ドローできる「鍛冶屋」の組み合わせは、アクションを残しつつ、大量にカードを引ける、シンプルながらに強力な動きです。残ったアクションでさらに「村+鍛冶屋」を行ってもいいですし、「自分は2コインを得て、他のプレイヤーは手札を3枚に減らす」という妨害カード「民兵」につなげたりすることも可能です。
難しいのが頭の中ではうまくいくはずだったコンボが、実際にやってみると全く機能しなかったりすること。例えば、カードを大量にドローできても、財宝カードやコインを生み出すカードがなければ、資金不足で得点カードを買うことができません。また、それぞれのカード枚数もバランスを考えて購入していかないと、手札事故が起きて何もできずにターンを終えるなんてこともあり得ます。また、時にはコンボなんて狙わずに、1種類のカードだけを購入し、それを連打しているだけで勝てるなんてことも……。
こんな風に、場に出ている10種類のカードや、他のプレイヤーの動きから、先の展開やカードの強弱を読み、適切にカードを購入することが勝利には不可欠。これが非常に奥深く、何度遊んでも新たな戦略が見つかったりするのでリプレイ性・中毒性共に高いゲームとなっています。
■デジタルの利点はやっぱり「手軽さ」
そんなドミニオンですが、リアルでプレイすると、コンボが長くなればなるほど処理が多くなり、ミスをしがちというのが欠点です。例えば下の画像のコンボは、大量のアクションカードを使用して、コインと購入権を得ているのですが、リアルでプレイすると、毎回どれだけの量のコインを得ているか等を、時間をかけて確認しなければならないこともあります。一方、本作のようなデジタル版では、こうした処理を勝手に行ってくれるのでミスなく、テンポよくプレイをすることが可能です。
オンライン対戦が手軽にできるので、ついつい「あと1ゲーム……」とプレイをし続けることに。リプレイ性の高さも相まって、どんどん沼に嵌まっていきます。
オンラインのボードゲームには、場所を取らないといったメリットも。本作では他にも、サウンドやカード使用時の演出など、デジタルならではの魅力もいくつか存在します。現在は実装されていませんが、今後レーティング制などが導入されれば、オンライン対戦も盛り上がるのではないでしょうか。
尚、本作は現在アーリーアクセスということもあって現在は2人だけでしかオンラインでの対人戦ができません。将来的には最大6人でのマルチプレイができる予定です。また、本作では拡張セットを持っている人が部屋を建てれば、他の参加者は拡張を持っていなくても遊ぶことが可能です。経験者は是非、拡張セットを購入し、友人を誘ってプレイしてみてください、初心者の方、ボードゲームの経験がない人でも、楽しめる名作ゲームなので、日本語化がきた際には是非プレイしてみてくださいね。