トム・ホランド主演の映画公開も控える人気シリーズ『アンチャーテッド』のPS5リマスター詰め合わせ、『アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション』は本日発売です。
『アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション』は、2016年にPS4版として発売された本編第四作『〜 海賊王と最後の秘宝』と、その外伝として2017年に出た『〜 古代神の秘宝』をPS5専用にリマスターした作品。
PS4版の時点でも、特にPS4 Proでの映像表現は非常に高い評価を受けた作品ですが、PS5では滑らかな60fpsや120fps (秒間120コマ)が選べたり、テクスチャの品質向上や描画距離の拡張、ロードの高速化など、さらに快適に高画質で楽しめるようになりました。
今作『アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション』に含まれる『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』は、PS3時代から続くシリーズの本編としては第四作にして最終章、アンチャーテッド4にあたる作品。
主人公ネイサンをはじめ前作までの主要登場人物が続投する続編で、シリーズ物である以上はリリース順に全部遊ぶのが理想的ではあるものの、物語としては独立しており、ここから始めても会話や演出で「この二人は長年の相棒なんだな」「こいつとは因縁があったんだな」と分かるようになっているため、問題なくプレイできます。
むしろこのアンチャーテッド4になって、ネイサンの兄サムが初めて登場したり、少年時代のネイサンとサムが描かれるなど、第一作から普通に職業トレジャーハンターとして登場した主人公ネイサンのオリジンが描かれています。
グラフィックはPS4 Proで1440p 30fpsだったところ、PS5リマスターでは4K 30fps / 1440p 60fps / 1080p 120fpsから選べるようになりました。
秘境冒険アクション映画志向の作品として物量と豪華さで圧倒するタイプの画面づくりのため、PS4 Proではアクション部分が30fps止まりなのは残念なところでしたが、PS5版ではPS4 Proと同じ解像度・やや向上したテクスチャや描画距離で倍の滑らかさにあたる60fpsを実現。画面の美しさと動きのトレードオフを意識せず、心置きなく楽しめる決定版といえる仕上がりです。
さらに1080pまで落とせば競技系シューティング級の120fpsでも遊べるため、高難度に挑むアクション志向のプレーヤー、120fpsのシューターやアクションに慣れて60fpsに違和感を覚えるようになってしまったゲーマーでも美麗なアクションゲームとして楽しめます。
もう一本の収録作『アンチャーテッド 古代神の秘宝』は、シリーズにライバルとして登場した傭兵・トレジャーハンターの女二人組が主人公の外伝作。PS4版は本編『海賊王と最後の秘宝』の追加コンテンツとして、また単体でも発売されました。
PS4版のどちらかでも所有していれば1100円でPS5版リマスター2本セットのダウンロード版にアップグレードできるため、『海賊王と最後の秘宝』は遊んだけれど『古代神の秘宝』はやらなかったというプレーヤー、あるいは外伝のほうだけ買ったというプレーヤーは、軽快なロード速度も含め遊びやすくなったPS5リマスターで満を持して遊ぶ機会です。
アンチャーテッドは「映画のような体験」「プレイする映画」と呼ばれてきた作品。ひと昔ふた昔前の「映画的なゲーム」は単純にプリレンダの映像が挟まったり、決め打ち展開の「映画的」演出を見せるあいだタイミングボタン押しゲーに退化するなど、プレーヤーが主人公として主体的に動いている感覚を損なうものが多く、表現の方向性としては一派をなしつつもプレーヤーの好みは分かれるジャンルでした。
しかしアンチャーテッドシリーズ、特にPS4世代で劇的にエンジンが進化したアンチャーテッド4は、スクリプトで決め打ちされた劇的展開と、 劇的な状況に放り込まれたプレーヤー自身が判断し挑戦し解決する感覚、いわゆる Player Agency のバランスが秀逸。アクションとしてはシンプルでも、「嘘だろ?」という驚きから「よっしゃ切り抜けた!」の達成感まで、文字通り手に汗握ったまま体験させる手法の洗練は群を抜いており、この「映画的演出」の進化を味わうためだけに買っても損はしません。
もうひとつ、遊ぶゲームが多すぎて困っているタイプのゲーマーや、「重い」ゲームは疲れるというゲーマーにもおすすめできる点は、圧倒的な物量と豪華な映像で超大作を遊んだ気になれるゲームでありつつ、基本は一本道でサクサクと進み、スキルツリーやらサイドクエストややらリソース管理やらが存在しないアクションゲームであること。
舞台が広く探索する場面もある一方で、インベントリでアイテムや素材を把握して効率的に集めたり、強化する装備やスキルを選んで……といった負荷がほぼないため、構えず遊びたいだけ頭空っぽで遊べ、進めたあとに「効率悪かったからロードしてやり直そう」といった場面がありません。
(リプレイ性のためコレクション要素はありますが、一周で揃える必要はないため、気にせず通り抜けても大丈夫)
『スパイダーマン』で人気のトム・ホランドが若き日のネイサンを演じる映画『アンチャーテッド』も、2月18日に公開を控えています。
トム・ホランド主演『アンチャーテッド』2022年2月18日に日米同時公開決定