12月3日より公開されている、映画『MANKAI MOVIE「A3!」~SPRING & SUMMER~』(通称『エームビ』)。同作は人気アプリゲーム『A3!』を舞台化し、現在の2.5次元を牽引する人気を誇る「MANKAI STAGE『A3!』」シリーズ(通称『エーステ』)をさらに映画化した、新たな試みの作品となる。

主人公が劇団「MANKAIカンパニー」の主宰兼『総監督』となり、春組・夏組・秋組・冬組のメンバーを率いていく同作だが、春組・夏組を中心とした『MANKAI MOVIE「A3!」~SPRING & SUMMER~』が今回公開され、秋組・冬組を中心とした『MANKAI MOVIE「A3!」~AUTUMN & WINTER~』が2022年3月4日に公開される。今回は春組リーダー・佐久間咲也役の横田龍儀、夏組リーダー・皇 天馬役の陳内 将にインタビューし、映画化への思いやそれぞれから見たメンバーの姿について話を聞いた。

  • 映画『MANKAI MOVIE「A3!」~SPRING & SUMMER~』に出演する陳内 将、横田龍儀

    左から陳内 将、横田龍儀 撮影:宮田浩史

■『エーステ』が映画化というところに驚き

——まずはやっぱり、「『エーステ』が映画化する」と聞いた時の印象を教えてください。

横田:もう、驚きました! まさか映画になるとは思わなかったです。素直に嬉しい気持ちはもちろんのこと、どういう風になっていくんだろう? ということも気になりました。

陳内:僕は最初、『A3!』が映画化するんだと思っていたんだけど、よくよく聞いたら『エーステ』が映画化するということで、驚きました。なかなか聞いたことがない話だったので、『エーステ』がたくさんの方に愛されている証拠だと改めて感じました。ただずっと舞台でやってきたので、映画となる怖さは少し……あったよね?

横田:ありました。僕も映像経験が多いわけではなかったので、すごく緊張していました。

陳内:でも、不安になる必要がないぐらい、映画のスタッフの皆さんも大きな愛で僕らを包み込んでくれた。その愛が、映画の随所に表れています。

——今回マイナビニュースではこの作品についてインタビューするのが初めてということで、ご自身も含めて、ぜひ春組、夏組メンバーのことを紹介していただけませんか?

横田:まず自分……自分の紹介!?(笑) 僕、横田龍儀は春組の佐久間咲也を演じていますが、咲也くんと似ているところがけっこうあるなと思っています。僕自身も、頑張り屋だけど不器用なところもあり、でも「負けないぞ」という頑固さがあります。それが横田龍儀です! 碓氷真澄役は、映画から新しく参加する高橋怜也くん。出会った時から本当に思いやりのある素敵な子で、最初はやっぱり緊張していたんですが、だんだんメンバーとも打ち解けていって、新しい春組の家族が増えました。皆木 綴役の前川優希くんは、しっかりしてるように見えて抜けているところがあります。もともと春組は天然さんが多かったので、優希くんが「俺はしっかりしなきゃ」と頑張ってくれていたんですが、今はもう心を許しすぎたのか、彼自身も天然化してきています(笑)。でも、それもまた面白いし、かわいらしいです。

茅ヶ崎 至役の立石俊樹くんは、1番、ど天然。思いやりがあって、存在自体が春組という感じで、ムードメーカーです。明るくてあたたかい性格をしているので、けっこう内に入っちゃう性格の僕としてはすごく支えられています。シトロン役の古谷大和さんはしっかり者で、僕たちに目線を合わせて会話をしてくれたり、アドバイスをしてくれたりするし、ふざける時は一緒にふざけてくれる大人な方です。みんなから頼られて、お兄ちゃん的な存在です。

——今回新たに高橋さんが参加されることになって、雰囲気が変わったということはあったんですか?

横田:これまで碓氷真澄を演じていた(牧島)輝くんがめちゃめちゃいい子、かつ……。

陳内:クセが強い!

横田:クセは強い(笑)。だから怜也くんが入った春組になって、優希くんのツッコミ頻度がちょっと減ったかもしれません。輝くんと怜也くんも仲良しになっていて、春組のグループLINEではみんなで会話しているぐらい。みんな打ち解けて、家族みたいになっています。

——それでは、夏組の方の紹介もお願いいたします。

陳内:僕は夏組のリーダーをやっています、皇 天馬役の陳内 将です。それぞれ映画になった時の印象を交えて紹介すると、瑠璃川 幸役の宮崎 湧は、シリーズの最初の稽古の時は少し頼りないところもあったけれど、映画で改めて見えた役の説得力があって、ものすごく感動しました。向坂 椋役の野口 準は舞台上でも繊細な表現をしているけど、映像ではカメラが彼に寄ってくれるから、その演技がさらに活きていて素敵でした。

斑鳩三角役の本田礼生は、舞台上をいつもガンガンに動き回って歌って踊って……とトリッキーな動きがあって、映画でもその良さが表れてる上に、ナチュラルな三角像も見せてくれて、とても良かった。三好一成役の赤澤 燈も、舞台ではガンガンテンションを上げていたけど、映像では少し調節してナチュラルに臨んでいて、夏組のいいバランスを作ってくれたなと思います。

横田:見方がすごい!

——ご自身についてはいかがですか?

陳内:僕は、いいです(笑)。リーダーをやってます、というだけです!

——今作では天馬が公開ゲネプロで緊張して…というエピソードも描かれますが、先日行われた夏組の単独ライブ(MANKAI STAGE『A3!』Troupe LIVE 〜SUMMER 2021〜)の取材に行った時は、アドリブも飛び交っているのが印象的でした。

陳内:あの時は、演出の松崎史也さんの方から「ゲネプロだけど、ガンガン攻めてほしい。どこまでできるか楽しみにしてるよ」と言われていたんです。でも、天馬は何でもできますから。

■今までにないエモさがある

——3年前にスタートした『エーステ』シリーズから、今回の『エームビ』に至るまで、印象が変わった、成長したと思うようなことはありましたか?

陳内:印象は、あんまり変わらないよね?

横田:陳さんは、最初の時から本当にすごく相談に乗ってくれて、頼りになる大先輩でした。でも今回はあまり撮影で一緒になることがなかったんです。だから、撮影に入る前にもっといろいろ聞いておけばよかった、とは正直思いました(笑)

陳内:(笑)

横田:めちゃめちゃ思いましたよ! できあがった映像で陳さんの芝居を見たら、表情の動かし方なども細部まで作っていて、本当に素敵だったんです。でも、僕も精一杯やった演技が今回の作品に出ていますし、そういった面では後悔もなく、今後もより頑張っていこうという気持ちになりました。

陳内:龍儀の感情を爆発させる演技も、すごく素敵だったから、自信を持って世に出せば大丈夫! 僕は、誰かが成長した、といったことよりも「映像だと、こういう演技になるんだ」という感想しかなくて。もちろん「3年前の稽古の時はこうだったな」と懐かしく思い出すこともありましたが、舞台と映画はそもそも違うものなので、皆の映像の演技を見て新鮮に思う気持ちの方が大きかったです。

——改めて、この作品についてお二人が魅力だと思うところを教えてください。

横田:ずっと『エーステ』を見てくれている方は、まず懐かしい気持ちで感動してもらえるんじゃないかと思います。物語としてもスタート地点で、メンバーが初めて出会うところから始まっているので、そこから距離が近くなっていく様子も感動のポイントなんじゃないかな。

陳内:映画の中を生きるという点ではここが始まりなので、舞台とは別物ではあるんですが、舞台でも公演を重ねて来たからこその、エモさがある。これは『エーステ』が『エームビ』になったが故に味わえる特殊な経験だと、役者陣も思っています。だから『エーステ』が好きな方たちは『エームビ』を見た時に本当に特殊な感情が生まれると思うし、でも『エームビ』から見てくださる方にも『エーステ』の魅力が伝わって「劇場に行ってみたい」と思っていただけるんじゃないかと、期待しています。本当に『エーステ』×『エームビ』はすごい企画だと思うので、今までずっと応援してくださっている監督も、これから監督になってくださる方も楽しみにしていてください。

■横田龍儀
1994年9月9日生まれ、福島県出身。2012年に第25回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで審査員特別賞を受賞し、2015年に映画『宇田川町で待っててよ。』で初主演を飾る。ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(17年〜)、MANKAI STAGE『A3!』シリーズ(18年〜)、舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』(20年)などに出演し、2022年1月には舞台「炎炎ノ消防隊」出演を控える。

■陳内将
1988年1月16日生まれ、熊本県出身。ミュージカル『テニスの王子様』、ドラマ『特命戦隊ゴーバスターズ』などで注目を集め、舞台、映像などで活躍する。主な出演作に、『HiGH&LOW』シリーズ(16年~)、MANKAI STAGE『A3!』(18年〜)シリーズ、舞台「紅葉鬼」シリーズ(19年、21年)、東映ムビ×ステ『死神遣いの事件帖』 (20年)、舞台『東京リベンジャーズ』(21年) 、ドラマ『あいつが上手で下手が僕で』(21年)など。