映画『189』(12月3日公開)の完成披露試写会が18日に都内で行われ、中山優馬、夏菜、吉沢悠、前川泰之、灯敦生、太田結乃、滝川広志(コロッケ)、寺西拓人、降幡愛、加門幾生監督が登場した。

  • 前列左から加門幾生監督、吉沢悠、中山優馬、夏菜、前川泰之。後列左から灯敦生、太田結乃、滝川広志、寺西拓人、降幡愛。

    前列左から加門幾生監督、吉沢悠、中山優馬、夏菜、前川泰之。後列左から灯敦生、太田結乃、滝川広志、寺西拓人、降幡愛。

同作は東京都の児童相談所で働く新米児童福祉司の坂本大河(中山優馬)を主人公としたオリジナル作。安定した職業に憧れて公務員試験を受け、児童相談所に配属された大河はまっすぐに仕事に向き合っていくものの、保護した児童が親元へ戻ったことをきっかけに再び虐待を受け、命を落としてしまう事件が起こる。傷を抱えて仕事復帰をした大河の前に、人の気持ちに寄り添うことができる弁護士・秋庭詩音(夏菜)が現れ、2人の奔走が始まる。

主演の中山は「台本を読んだ時から、僕の演じる坂本大河の発するセリフや行動が、多くの方に共感いただけるんじゃないかという印象で、僕自身もその1人でした。なので、役作りという意味では大変だったという印象はないです」と明かす。

子供を虐待する父親を演じた吉沢は「すごいざわざわしながら今ここにいるんですよ、僕らも。ああいう役をやっていたので。撮影中も振り切ってくれとは言われたので、この形が正解だったか分からないんですけど、演技の上ではそういうことはありました」と苦笑し、母親役の灯も自身の娘を演じた太田について「殴られる時のアクション練習を一緒にして。笑ってくれると、もうそれだけでいい」と色々な感情を抱いた様子。

一方、吉沢から「天才」と言われていた太田は「お母さん役とお父さん役と一緒に仲良くするとあまり泣けなくなるので、ちょっと離れてしゃべってました」と立派な女優魂を見せる。太田とのシーンが多かったという中山も「すべてのシーンを引っ張っていってもらった感じでした。感情に訴えかけてくるお芝居で、どれだけひどいことをされてきたのか、想像が掻き立てられる表情ばかりで、感情が溢れてしまうのを自制した瞬間が何度もありました」と絶賛した。

今回俳優として出演したコロッケこと滝川はナチュラルな芝居を求められ「普通じゃないことを心がけてきた人に『普通でいいから』って。普通じゃないことを40年やってきたのに普通でいいからって、よくわからない」と苦労もあったという。サービス精神が高じ、その場で急遽、福山雅治のモノマネを披露する一幕も。

またジャニーズ事務所に所属する寺西は「大尊敬する先輩である中山優馬くんの下でお芝居ができるというのもすごくありがたい機会だなと思いました」と感謝。出番は短いと言うものの「この作品を見た誰かの何かを変えられたら嬉しい、その手助けができたらいいなと思って撮影に臨みました」と真剣に話すが、中山から「なんでそんなに汗かいてんの?」と指摘され「めちゃくちゃ暑くないですか? すいません、お恥ずかしいところを……」と恐縮する。中山は「大尊敬する先輩」と言われたことについて「完全にいじってます!」と断定しつつ、「いろんなところで彼とは共演させていただきましたけど、本当に頼りになる後輩だったので、まったく何の心配もなく。心の支えになったくらいです。楽しい役者さんです」と紹介していた。

最後に中山は「映画の中では辛い描写もたくさんあります。ですが、愛の物語でもあります。この日本で今現在起きている社会情勢ということで、本当にたくさんの方が知るべきテーマの作品に仕上がったと思いますし、キャスト、スタッフで 全力を尽くさせていただきました。ぜひこの映画がたくさんの人に届くように祈っております」とメッセージを贈った。