俳優の瀬戸康史と林遣都が、岡田麿里監督最新作となるMAPPA初のオリジナル劇場アニメーション『アリスとテレスのまぼろし工場』(9月15日公開)で声優を務めることが13日、発表された。
大ヒットを記録した『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』などアニメに馴染みのない人たちの心も掴む脚本家であり、監督デビュー作となった『さよならの朝に約束の花をかざろう』で国内外から高い評価を得た岡田麿里監督最新作。
突然起こった製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時まで止まってしまった町が舞台。いつか元に戻れるようにと、住民たちは何も変えてはいけないルールを作り、鬱屈とした日々を過ごしていた。そんな中、中学三年生の主人公・正宗は、気になる存在の謎めいた同級生の睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにはいたのは喋ることのできない、野生の狼のような少女― 。この二人の少女と正宗との出会いは、世界の均衡が崩れるはじまりだった……という岡田によるオリジナルストーリー。変化を禁じられた世界で、止められない“恋する衝動”を武器に、未来へともがく少年少女の物語だ。
主人公・菊入正宗役を「呪術廻戦」虎杖悠仁役の榎木淳弥、正宗の同級生・佐上睦実役を「SSSS.GRIDMAN」新条アカネ役の上田麗奈、謎の少女・五実役を「リコリス・リコイル」クルミ役の久野美咲が演じる。
そしてこのたび、主人公・正宗の父親で、製鉄所に勤める菊入昭宗役として瀬戸康史、同じく製鉄所に勤め、何かと正宗を気にかける叔父・菊入時宗役として林遣都が決定した。
本作が声優初挑戦となる瀬戸は、大のアニメーション好きでも知られているが、本作の声優に決定した時のことを振り返り、「とてもうれしかったです。声優を務めるのは初めてなので『まさか自分が?』と思いましたし、MAPPA作品で、そして監督は岡田麿里さんですから、興奮しました」と喜びのコメント。初めてのアフレコについては、「友人の入野自由(いりの・みゆ)に『声優をやることになったときは、何に気にすればいい?』と聞いたところ、『変に声を作ろうとしない方がいいんじゃないかな』というアドバイスをもらい、変に作り込まずに、あまり飾らずにやれたらいいなと思いました」と語った。
『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』(2016)の藍神役に続いて、声優として2作目に挑んだ林は、「声のお仕事は、またいつかチャレンジしたいなという思いがあったため、とてもうれしかったです」と喜び、役を演じる上で考えたことについては、「岡田監督ともお話させていただいて、イメージをつかんでいきました。時宗は、自分の思いや、この世界に対する考えや価値観、あとは大切な人たちに対する感情など、ふさぎこみながら生きてきた男なのかなというイメージを持って演じました」と語った。
監督の岡田は、本作が初声優となる瀬戸の演技に対して、「飄々としているけれど、まぼろし工場の世界を支えてくださる包容力がある声で、まさに想像していた昭宗! 声優経験がないというのが信じられません」と大絶賛し、林については「低めの大人っぽい演技のどこかに、生真面目さもしっかり感じる時宗を演じていただきました。展開が盛り上がっていくにつれて、林さんの声が本来もつ少年のような純粋さが前に出てきて、魅力的な主人公のようでした!」と、演技の完成度の高さに太鼓判を押した。
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