俳優の妻夫木聡が20日、第46回日本アカデミー賞8冠を記念して都内で行われた映画『ある男』(公開中)の舞台挨拶に出席した。

  • 日本アカデミー賞のブロンズをステージ上で掲げる妻夫木聡

累計30万部を超える平野啓一郎氏のベストセラー小説『ある男』を映画化した同作。妻夫木が主演を務めたほか、安藤サクラ、窪田正孝、清野菜名、柄本明ら日本を代表する俳優陣が集結した、「愛」と「過去」をめぐる感動のヒューマンミステリーだ。10日に行われた第46回日本アカデミー賞では、妻夫木の最優秀主演男優賞をはじめ、最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀録音賞、最優秀編集賞で8冠に輝いた。

妻夫木は、日本アカデミー賞の受賞者に贈られるブロンズを手に登場。集まったファンから盛大な拍手と共に祝福の声が上がると、「信じられなかった。頭が真っ白になっちゃって、今でも壇上で何を話したかはっきり覚えていない」と受賞の瞬間を振り返る。

また、自身の受賞より石川慶監督の受賞に感極まってしまったそうで「自分のときは一切泣かなかったのに、監督賞のときは号泣しちゃって……。あまりにも泣いているから、サクラちゃんが一切僕の方を見ようとしてなかったですね(笑)」と授賞式の裏話を話し、笑いを誘った。

石川監督の手掛けたショートフィルムを観て、その才能に惚れ込み、映画『愚行録』、ドラマW『イノセント・デイズ』とともに作品を作り上げてきた妻夫木。「ずっと石川監督の才能を近くで見てきたという思いがあったので、皆さんにはっきりと認められた瞬間に立ち会えたということがすごく嬉しかった」と涙に込められた思いを明かした。

■石川慶監督コメント全文
凱旋上映にお越しのみなさま、今日はお越しいただきましてありがとうございます! 公開時に、細くても、長く愛される映画になってくれればと言ったのを覚えていますが、まさにその望みが叶った気がしています。今日は直接みなさんとお会いできないのが残念で仕方ないですが、秋田さん、会場の写真送ってください! そして妻夫木さんお忙しい中ありがとうございます。授賞式の後の打ち上げも楽しかったですね。今、タイのバンコクですが、こちらの人たちからもたくさんのおめでとうをいただいてます。『ある男』、世界中もっと多くの人たちに届きますように。そして、この熱気の冷めないうちにぜひ、次の企画を!