自宅時間が増えた昨今、コーヒータイムが増えた人も多いのではないでしょうか? とはいえ、お湯を沸かしたり粉を蒸らしたりと、コーヒーを淹れる手間は毎日積み重なるとけっこう面倒。しかも、ドリップコーヒーはお湯の注ぎ方で味が変わるので「毎回同じように美味しく」コーヒーを淹れるのは、意外と難しいものです。

そこで、この連載では6年間カフェを経営していたコーヒー好きの筆者が、手軽に導入できるオススメのドリップ式コーヒーメーカーをレビュー。さらに、コーヒータイムを一層楽しくしてくれる、スイーツが作れるイマドキ家電も紹介していきます。

第1回はUCC上島珈琲「ドリップポッドDP3」

1回目の今回は、我が家でもヘビーユースしているUCC上島珈琲の「ドリップポッド DP3」(以下、DP3)です。マシンの直販価格は13,200円、UCC公式の「マシン付き定期便」を使うと、本体代は972円×6=5,832円になります(※別途カプセルのサブスク費用は必要)。

  • DP3は、専用カプセルとマシンのセットで使うコーヒーマシン(後述しますが市販のコーヒー粉も使えます)

  • 本体サイズD290×W133×H224mm、重量約3kg。コンパクトでシンプルなスリムボディなので置く場所を選ばないのもポイント

DP3は専用カプセルと市販の粉コーヒー、どちらでもドリップが可能。さらにメンテナンスも簡単で、専用カプセルの味もなかなかという、とにかくバランスの良いコーヒーメーカーです。


★こんな人にオススメ
– 一人暮らしや少人数世帯でコーヒーを「1杯ずつ」抽出したい
– 使用後のメンテナンスに手間をかけたくない
– コーヒー粉の鮮度管理は面倒
– たまにはコーヒー以外のドリンクも楽しみたい


欲しいときにすぐ飲める、負担にならない手軽さが魅力

DP3では市販の粉コーヒーを専用カートリッジに入れても使えますが、手軽さと美味しさのバランスを考えるなら、断然専用カプセルがオススメ。

幅広いラインナップからカプセルを選べるのが魅力で、なんとコーヒーだけではなく、紅茶や日本茶も淹れられます。来客がコーヒーを飲めないときでも安心ですね。

  • DP3用の専用カプセルの一部。パッケージは色で銘柄が見分けやすいポップなデザイン

    DP3用の専用カプセルの一部。パッケージは色で銘柄が見分けやすいポップなデザイン

カプセルの値段は、スタンダードな豆なら12個で816円(直販価格、【選べるカプセル定期便】NEW選べるBOX6/8/12の場合)。一杯約68円なのでコンビニコーヒーより手ごろにおいしいコーヒーが楽しめます。

DP3には定番カプセル全種を1杯ずつ試せる「テイスティングキット」がついたモデルも。自分好みの味をチェックするのに便利です。公式通販限定で、上質なスペシャルティコーヒーのカプセルも展開されています。

コーヒー豆は生鮮食品のため、開封後2週間以内に飲みきることが望ましいもの。そのため、1パックを飲みきるまで同じ銘柄の豆が続く家庭も多いでしょう。カプセルなら、時間による劣化を気にせず「朝はキリマンジャロだったから、昼はグァテマラ」など、好きな豆を好きなタイミングで消費できます。

コーヒーの生産から販売まで手がける、日本トップクラスの「コーヒー屋さん」であるUCCが作ったカプセルだけあり、味もなかなかのもの。個人的に気に入っているのが、コーヒーらしい苦みとコクが味わえるマンデリン&ブラジル。さっぱりとした味が好きならモカ&キリマンジァロがオススメ。

  • 筆者おススメのマンデリン&ブラジル(左)と、さっぱりめのモカ&キリマンジァロ(右)

    筆者おススメのマンデリン&ブラジル(左)と、さっぱりめのモカ&キリマンジァロ(右)

コーヒーの抽出方法も簡単。背面の水タンクに水を入れて、カプセルをセットしてスタートボタンを押すだけです。

  • 水タンクは取り外してシンクで直接水を補給可能。タンク容量は700ml

    水タンクは取り外してシンクで直接水を補給可能。タンク容量は700ml

DP3はインスタントヒーター方式で、使う量だけ水を温めます。このため、ボイラー式と比較すると抽出が驚くほどスピーディー。ボタンを押したら約1分半ほどでコーヒーの抽出が完了します。飲みたいときにすばやくコーヒーが飲めるのは魅力的です。

  • カプセルをセットし、Startボタンを押したら抽出開始

    カプセルをセットし、Startボタンを押したら抽出開始

一杯ずつ抽出で、洗い物は最小限

DP3でもうひとつ注目したいのが、コーヒーを直接カップに抽出するスタイル。専用サーバー(ポット)がないので、使用後の洗い物が少なくてすみます。

  • 使用後はカプセルホルダーを水洗いするだけ

さらに、専用カプセルを使うときはドリッパーも必要なく、使用後のメンテナンスはカプセルを乗せる小さなホルダーを水洗いするだけ。

コーヒーメーカーを購入したユーザーから、たまに「コーヒーマシンを購入したけれど、使用後のメンテナンスが面倒で使わなくなった」という声を聞きますが、DP3ならこの心配はいりません。

  • カップに抽出。カップを置くドリップトレーの高さは3段階で調節

    カップに抽出。カップを置くドリップトレーの高さは3段階で調節

  • 高さ140cmくらいまでの水筒に、直接抽出もOK

    高さ140cmくらいまでの水筒に、直接抽出もOK

同じコーヒーも抽出モードで味が変化

カプセル式のコーヒーは「同じ味」を再現できるのが特徴ですが、DP3は設定で味を自分ごのみに変更することも可能です。

抽出モードには通常の「Standerd」のほか、蒸らし時間を長くし、ゆっくりと抽出する「Strong」モード。少ない湯量で濃く抽出する「Iced」モードがあります。StrongとIcedはガツンと濃い味に抽出するため、氷やミルクをいれてもボヤけた味になりにくく、アレンジコーヒーに最適です。

また、湯量も7段階から選択。濃い味が好きなら湯量を少なめに、あっさり味が飲みたいなら多めに設定することで、自分好みの味に調整できます。

  • 設定パネル

    設定パネル

  • カフェオレにするならStrongモードが適しています

    カフェオレにするならStrongモードが適しています

市販のコーヒー粉を使えるフィルターも

もうひとつうれしいのが、市販のコーヒー粉も使えるところ。市販のコーヒー粉を利用するには、付属のメッシュフィルターにコーヒー粉を入れてからフィルターホルダーを取りつけ、ホルダーのフタを閉めた後、本体にセットします。

金属メッシュフィルターなので、一般的な紙フィルター式のようにランニングコストはかかりませんが、使用後は小さなフィルターに粉が詰まるため後片付けは少し面倒。とはいえ、忙しい普段はカプセル、時間に余裕がある週末は市販のコーヒーの粉……と使い分けできます。

  • 市販の粉を利用するためのメッシュフィルターとフィルターホルダー、ホルダーのフタ3点セット

    市販の粉を利用するためのメッシュフィルターとフィルターホルダー、ホルダーのフタ3点セット

  • 使用後のフィルター。フィルターに詰まった粉をほじくりだす必要があるため、正直、使用後のメンテナンスはちょっと面倒

    使用後のフィルター。フィルターに詰まった粉をほじくりだす必要があるため、正直、使用後のメンテナンスはちょっと面倒

裏ワザ?ケトル的な使い方も

メーカー推奨の使い方ではありませんが、我が家ではインスタントラーメンや味噌汁などを作るときの電気ケトル代わりとしても活躍しています。ボタンを押せば1分ほどでカップに直接お湯が注げるので、少量のお湯がほしい場合はケトルよりも手軽です。

一回で注げるお湯の量は、最小湯量で約70ml、最大湯量は約200mlまでになります。ちなみに、Teaモードで95℃前後、Coffeは92℃前後、Green Teaで80℃前後の熱湯が注げます。

  • 給湯器として利用

    給湯器として利用

手軽にコーヒーからお茶まで楽しめる、汎用性の高さが魅力

手軽な専用カプセルから市販の粉、さらには紅茶や日本茶まで楽しめるDP3。その手軽さと汎用性の高さから、多くの人にオススメできる製品です。

ただし、一杯抽出タイプなので、家族の人数が多い家庭や、一度にまとめて抽出したい人には少々使い勝手が悪い部分もあります。

そこで、次回はサーバー式で一度にまとめてドリップでき、ドリップポッドのカプセルも使えるタイガー魔法瓶のコーヒーメーカー「ACT-E040」を紹介したいと思います。


ドリップポッド DP3の使い勝手まとめ

★メリット
– コンパクトで設置しやすい
– メンテナンスがとにかく楽
– コーヒーの鮮度を気にせず美味しく長期保存可能
– 紅茶や日本茶も楽しめる
– 粉コーヒーのドリップも可能

★デメリット
– カプセル式はランニングコストが一般的な粉より高い
– 粉コーヒーを使用した場合はメンテナンスが面倒
– 一度に複数杯の抽出はできない