著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
先週(12日〜18日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比287,243円(7.33%)安の3,494,757円と2週続落し、週足としては1月最終週(24週間)ぶりに終値で350万円を割り込んだ。
バイナンスの株式トークン取り扱い終了や米株の下落を受けて、16日金曜日のビットコインは先月21日ぶりに節目350万円を終値で割り込んだが、12日から5日続落となった反動からか、週末の相場はやや売り飽きの様相で底堅く推移し、目星い材料に欠ける中、340万円台を維持。この間、ビットコインの採掘難易度(ディフィカルティ)は-4.81%と4サイクル連続で下方調整したものの、ハッシュレートの戻りは鈍く、引き続き100 Ehash/s周辺で揉み合っている。
第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成
ビットコインは引き続きボラティリティと出来高が低下傾向となっており、次の動きに向けてエネルギーを溜め込んでいる。16日には、相場がボリンジャーバンドの-2σを割り込んだものの、週末の反発によりバンド幅は再び縮小傾向(トレンドが始まることを示唆)に転じ、「下降バンドウォーク」は回避できたものの、ハッキリとした方向感を示せずにいる。
来週27、28日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合が開かれるが、明日からはブラックアウト期間(当局者が金融政策について発言を控える期間)に入るため、株や外為市場につられてビットコインにも様子見ムードが広がる可能性がある。ただ、本日はイエレン米財務長官がステーブルコインの金融システムにおける役割やその透明性について、バイデン政権の金融市場ワーキンググループや通貨監督庁、連邦預金保険公社と議論する予定となっている。