著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
16日〜22日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比269,062円(10.05%)高の2,945,837円と2週続けて大幅に続伸し、FTXショックの下げ幅をほぼ解消した。BTCの対ドル相場は昨年11月高値(21,500ドル≒278.2万円)の上抜けに成功し、一時は昨年8月ぶりに23,000ドル(≒297.7万円)を回復する場面もあった。
米株の利食いに連れ安となり週央に270万円を割り込んだBTC相場だったが、260万円台中盤で下げ止まると押し目買いの様相でジリ高に転じた。20日には暗号資産(仮想通貨)レンディングのジェネシスが破産申請をしたとの報道が転がり込んだが、織り込み済みだったこともあり相場への影響は軽微だった。また、この日は日本銀行が改めて緩和策の維持を示したことでドル円相場が上昇。これが円建てのBTC相場には追い風となり270万円を回復した。
20日米時間には、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーラー理事とフィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁が、2月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp)利上げを支持したことでリスクオンムードが台頭。これによりBTCの対ドル相場は11月高値を更新し、円建てでは280万円をうわ抜けた。
値動きが落ち着きやすい週末にもBTC相場は上昇し一時300万円を回復したが、22日にはやや失速し週足終値での300万円回復には至らなかった。