仮想通貨ニュースサイト「The Block」がFTXの兄弟会社であるアラメダ・リサーチを通じて資金提供を受けていたことが発覚した。これを受け、The Blockの最高経営責任者(CEO)だったマイク・マカフリー氏が辞任し、新たにボビー・モラン氏がCEOを引き継ぐことになった。
米メディアのAxiosの報道が発端だ。それによると、The Blockが1年以上にわたってアラメダから秘密裏に資金提供がされていたという。アラメダから計3件の融資を受けており、その金額は4300万ドルにのぼり。その一部はマカフリー自身がバハマで別荘を購入するために使われたという。
新CEOとなったモラン氏の投稿では、マカフリーが2021年にThe Blockを再建することを経営判断し、アラメダから総額2700万ドルの2件の融資を受けたと説明している。
モラン氏によると、マカフリー氏は、The Blockのほかの経営幹部らには融資のことは伝えていなかったという。マロン氏は、マカフリー氏の行動は「深刻な判断力の欠如であった」と非難している。
「The Blockの評判と信頼性、特に報道とリサーチの評判と信頼性、そして業界をリードする透明性への取り組みを損なうものだ。マイクの行動を受け、私たちは彼に辞任を求めた」
「The Blockでは、マイク以外にこの金銭的取り決めについて知っている者はいなかった」とモラン氏は述べている。さらに「私たち自身の経験から、マイクがニュースルームや調査チーム、特にSBF、FTX、アラメダリサーチの報道に不適切な影響を与えようとした証拠は何もない」としている。
マカフリー氏のLinkedInによると、彼は2018年からThe BlockのCOOとチーフ・オブ・スタッフを別々に務めた後、2020年4月にCEOに就任した。マカフリー氏は、2021年4月に従業員以外の株主から株式を買い上げた。これを通じて、マカフリー氏がThe Blockの株式の過半数を持つに至ったという。
The Blockの編集チームからも今回のニュースについて衝撃の声があがっている。
「今日の午後に会社に報告されたこのニュースには、まったくもってがっかりしています」と、The Blockの編集長であるフランク・チャパーロ氏は述べている。「私が受けた衝撃を構成するのは、マイクの行動、貪欲さ、情報開示の欠如に対する、完全な嫌悪と裏切りという感情だ。彼は文字通りのクズだ。彼は、私たち一人一人に秘密にしていたのだ」。
The Blockのリサーチ担当副社長であるラリー・サーマック氏は、12月6日にアラメダリサーチの投資先リストを自身のツイッターアカウントに投稿しており、その中にはThe Blockへの融資が2件含まれていたが、ニュースサイトとヘッジファンドとの金銭的な関係には触れていなかった。Axiosによると、サーマック氏はThe Blockとアラメダの関係については知らなかったという。「マイクは、私やリサーチ部門の誰かに、FTXやSBFを特定の姿勢で報道するように依頼したことはない。私たちは自分の仕事をするために完全な裁量権を持っていた」と話している。