待ちに待ったイーサリアムのマージが目前に迫っているが、すべての人このメジャーアップグレードに興奮しているわけではない。「ETHWコア」と名乗るグループがこの変更に反対を表明し、マージ後24時間以内にハードフォークを行うとしている。

ETHWコアは、「ETHPoW」というプロジェクト名と「ETHW」というトークンのもと、メインのETHブロックチェーンから分離してPoW(プルーフ・オブ・ワーク)バージョンを維持し、マージ後もETHマイニングを存続させるつもりだ。

「ETHWのメインネットはマージ後24時間以内に実現する予定だ。正確な時間はローンチの1時間前にカウントダウンタイマーで発表され、最終コード、バイナリ、設定ファイル、ノード情報、RPC、エクスプローラなど、すべてがカウントダウン終了後に公開される」と、同グループは9月13日のツイートに書いている。

マージは、イーサリアムネットワークを現在のプルーフ・オブ・ワーク(PoW) マイニングモデルからプルーフ・オブ・ステーク (PoS) コンセンサスメカニズムに移行し、マイナーを廃止してバリデーターに置き換えるものだ。

ETHWコアは8月29日に発表したオープンレターで、「PoSは確かにゲームチェンジャーだが、悪い意味でしかない」とする意見を主張している。

「PoWイーサリアムを継続するのが賢明なことであり、オープン性と自由市場を支持する人々にとってはデメリットがないため、当然のことであるはずだ。PoSイーサリアムが本当に素晴らしいのであれば、なぜ競争を恐れる必要があるのか?」

しかし、コミュニティーの多くは、このフォークの動機はイデオロギーの違いではなく、むしろ金銭によるものだと考えている。

そして、ChainIDフォークをめぐっては、リプレイアタックなどのハッキングの危険性が高まるのではないかという深刻な懸念の声が上がっている。

元イーサリアム財団メンバーのハドソン・ジェイムソン氏は9月8日、なぜ実際のマージ後にローンチするのかと疑問の声を挙げている。

「私は、彼らがマージ後にローンチした場合、多くのハッシュパワーを獲得することに大きな疑問を持っている」と彼は書いている。「その頃にはハッシュパワーは他のチェーンに移っているだろうし、ETHPoWのバリュープロップはすでに希薄だ」と指摘する。。

予定通りであれば、ETHのマージまで現在1日を切っている。

本稿執筆時点では、ETHPoWトークンは29.71ドルで取引されているが、来るべきフォークを見越して考案された先物ティッカーとしてのみ存在している。イーサ(ETH)の価格は現在1,599ドルで、過去7日間で2.26%下がっている。