今すぐ規制するか、それとも後で後悔するか。米連邦準備制度理事会(FRB)のラエル・ブレイナード副議長が金曜、ロンドンで開かれたイングランド銀行のカンファレンスで聴衆に語った。仮想通貨は従来の金融と同じ基本的なリスクを持っており、「強力なガードレール」が必要であるとブレイナード副議長は主張し、その証拠として最近の市場の落ち込みを指摘した。
ブレイナード副議長は講演の間、最も一般的な言葉を使って話し、ボラティリティ、高リスクの株式との相関性、銀行取り付け騒ぎや他の伝統的金融関連のリスクに対する責任、ストレスを増幅させる過剰担保など、仮想通貨の最近のパフォーマンスに関連する問題を強調した。そして、より広範な金融システムへの仮想通貨の統合が進むにつれ、それらのリスクに対応する規制の必要性がより差し迫ってくると述べた。
同副議長は、「同じリスク、同じ開示、同じ規制結果の原則」を支持した。また、国境をまたぐ仮想通貨業界に対処するため、金融規制当局間の国際協力も呼びかけた。
ブレイナード副議長は、2つの具体的な分野に対して特に懸念を示した。1つは、銀行による仮想通貨への関与が、中核的な金融システムの安定性に関してリスクを増加させることである。彼女は銀行の関与について、「規制当局の厳しい監視を可能にするインターフェースを提供する」ため、促進するべきであると述べた。同副議長は「同じリスク、同じ開示」の原則を支持しているにもかかわらず、ここでは、銀行の大きな関与を促進するには「仮想通貨金融に対する強力な規制の枠組み」が必要であることを強調しており、仮想通貨に対して異なる扱いを主張しているように見える。
リスクを波及させる2つ目の分野として、ブレイナード副議長はステーブルコインに言及した。ステーブルコインを仮想通貨と法定通貨の橋渡し役と呼ぶ彼女は、上位2つのステーブルコインが時価総額の80%を占めていることを指摘した。また、法定通貨に裏打ちされているステーブルコインは、「取り付け騒ぎに対して非常に脆弱」であると述べた。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)には重要な役割があるとするブレイナード副議長は、次のように話した。
「安全な中央銀行通貨のデジタルネイティブな形態は、将来の仮想通貨金融システムに中立的で信頼できる決済のレイヤーを提供することにより、安定性を高める可能性がある」