米コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーが16日に発表したレポート「メタバースにおける価値創造」によると、メタバース市場は、2030年までに5兆ドルに達する可能性があるという。

77ページの報告書は、現在の導入傾向を分析し、2つの世界的な調査を行った。1つは11カ国の3,104人の消費者からデータを集め、もう1つは10カ国15業種の448社のさまざまな経営者から意見を聴取したものだ。

マッキンゼーはこのデータから、メタバースにおける消費者行動の未来は、ゲーム、ソーシャライジング、フィットネス、コマース、遠隔学習の5つの主要な活動に分けられる可能性が高いことを予測した。

McKinseyは、調査した全消費者の60%近くが、現実世界よりも仮想世界での活動を少なくとも1つ好むことを発見し、現在メタバースの中で活動している消費者の79%がすでに購入経験があることを明らかにした。

Eコマースはメタバースにおける主要な用途となり、マッキンゼーは2030年までに全支出の2兆ドルから2兆6千億ドルを占めると予測。バーチャル広告も主要な分野となり、関連する収益は1440億ドルから2060億ドルに上ると予想した。

報告書では、今年の最初の5カ月間で、メタバース関連の技術とインフラにすでに1200億ドル以上が投資されており、2021年の全体を通してメタバース技術に投資された合計570億ドルの2倍以上であることを強調した。

レポートの筆頭著者でマッキンゼーのシニアパートナーであるラレイナ・イー氏とエリック・ハサン氏は、関連するブログ記事で、調査に関する追加コメントを発表した。

「エキサイティングなのは、メタバースがインターネットのように、私たちが働き、暮らし、つながり、コラボレーションできる次のプラットフォームであるということだ」

経営者からの反応について、イー氏は、「経営層はしばしばあまり同意しないが、我々の調査によると、彼らは一つのことには圧倒的に同意している。95%がメタバースが彼らの業界にポジティブな影響を与えると信じていることだ」と付け加えた。

この報告書は、経営層のうちの25%が、メタバースが5年後に組織の総利益成長率の15%を牽引することを期待していると述べ、ほぼ3分の1が、メタバースが業界の運営方法に大きな変化をもたらすことができると考えているという。

一方で全体的な熱意とは裏腹に、健全な懐疑論もあり、経営層の31%がメタバース体験の投資収益率についてやや不安を残している。

メタバースに待ち受けるチャンスに興奮する一方で、課題に正面から取り組み、真剣に計画を立てる用意が必要だと、ハサン氏は述べた。

「検討すべき緊急の課題がある。ひとつは、メタバースと競争するのではなく、メタバースを活用するために、労働力の一部を再教育する必要が出てくることだ。ステークホルダーは、メタバース体験が倫理的で安全かつ包括的であることを確認するためのロードマップを構築する必要がある」