ロシアの首相が、ロシア人は千数百億ドル相当の仮想通貨を保有していると発表した。一方で、ロシア政府は仮想通貨業界に対する規制の枠組みをまだ設けていない。
ロシアのミハイル・ミシュスティン首相は7日に発表したロシア政府の年次報告で、ロシア人はビットコイン(BTC)などの仮想通貨を合計10兆ルーブル(1300億ドル)以上保有していると主張した。
首相はこの数値の情報源を明示せず、「さまざまな見積もり」に基づいた数値だとして、以下のように話した。
「これまでに1000万人以上の若者が仮想通貨ウォレットを開設し、10兆ルーブルを超えるかなりの金額をそこに移していることが分かっている」
もし真実なら、ミシュスティン首相が今回発表したロシア人の仮想通貨保有量の最新見積額は、ロシアが保有する金の推定額(22年3月時点で1400億ドル)にかなり近いことになる。米政府の推定によると、ロシアが保有する金はロシア中央銀行の準備金全体の約20%を占めるという。
ロシア政府の今回の発表の数カ月前の昨年には、ロシア中央銀行はロシアの仮想通貨保有額を評価する計画を発表していた。その後、中央銀行はロシアの仮想通貨取引額は年間わずか約50億ドルだと推定した。また今年初めには、ロシアの仮想通貨保有総額は2140億ドルに上るという推定もあった。