著者 DMM Bitcoin マーケットレポート

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二大ファンダメンタルズはCBDCとウクライナ情勢

比較チャート(2020.12.5- 現在)

上図は、2020/12/5を起点とするXLMとXRP, BTC, ETHの対円比較チャートである。

2021年前半のXLM/JPYは大きく値を伸ばし、前年12/5から半年で+300%のパフォーマンスを発揮した。

当時の上昇要因として、ヘッジファンドの帝王と称されるレイ・ダリオ氏にBTCが「ものすごい発明」と投資対象として評価されたことや、DeFi、NFTに関連した基盤をもつETHへの注目など、他の市場参加者が暗号資産に目を向け始めたことが挙げられる。

XLM特有の材料としては、ウクライナ政府のCBDC(中央銀行デジタル通貨)開発基盤として、ステラブロックチェーンが採用された点にも注目しておきたい。

ここで、同期間のXRPをみると、3銘柄に水を開けられているが、これは前年12/22の米証券取引委員会(SEC)によるリップル社提訴の影響があったと考えられる。

以上を踏まえると、暗号資産市場にトレンドが発生している中でも、銘柄それぞれ特有のファンダメンタルズが値動きに作用していたことがわかるだろう。

一方、2021年5月の急落を経た、2021年後半からのXLM、XRPは概ね似通った動きとみることができる。

上図下部の相関分析(28日)では、XLMとその他3銘柄の相関を示しており、XRPをみると2021年は4月までに二度、0.0(無相関)に近づいたものの、いずれも0.0に触れてはおらず、逆に9月(黄矢印)では他の2銘柄よりも1.0に近いことから、XLMはXRPに近い動きだったことが伺えるだろう。

当時はXLM、XRPとも売買の手がかりとなりうる特有の報道が少なかったため、XLMがXRPと同じく決済系の暗号資産であるという特性のみが着目されやすかったといえるだろうか。このため、一方が動くと連れ高・連れ安になりやすかったとみることもできそうだ。

11月に入ると、再びXLMとXRPの相関が切れ始め、0.28まで下降するが、これは11/9にむけたXRP特有の好材料「Ripple Swell Global」が背景にあったと考えられる。

また、12月中旬からはXRPを含め、他の銘柄との相関が切れ始めたが、XLMをCBDCに採用したウクライナ情勢の緊迫化が懸念要素として意識された可能性もあろう。

直近では、XRPが他の2銘柄よりもXLMとの相関が切れ始めているが、これはドイツに拠点を置くデジタル・ユーロ協会がCBDC開発のため、リップル社との提携を発表したことが要因ともいえよう。

これらのことから、XLM、XRPの価格特性について、以下3点を推測した。

・両銘柄ともCBDC採用が好感される
・XLMはウクライナ情勢、XRPは訴訟問題が懸念される
・特有の報道がない限りは決済系の暗号資産としての特性が目立ち、相関性の高い値動きが推察される

次に、直近のXLM、XRPの値動きについて、より短期の比較チャートを用いて確認し、今後の展開を考察する。

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