パラオ共和国とブロックチェーン開発企業クリプティック・ラボは11日、デジタル居住プログラム「Root Name System(RNS)」の開始を発表した。

パラオとクリプティック・ラボのデジタル居住プログラムのパートナーシップを発足させるため、パラオのスランゲル・S・ウィップスJr大統領は、同国のデジタル居住法に基づいてRNSを通じて「全世界のユーザー」にデジタル居住権を付与する契約に署名した。

パラオ共和国は、西太平洋に位置し、18,221人の住民が住む約340の島々から構成されている。ウィップス大統領は、RNSについて次のように述べた。

「パラオの法の支配と名声の元、デジタル居住プログラムは国際的に認められた基準の身元確認ができるようになる。私たちは、すべての地球市民がパラオのデジタル居住プログラムに参加するための応募を歓迎する」

デジタル居住プログラムは、ブロックチェーンベースの法的ID、グローバルなビジネス機会、遠隔地での企業設立と運営を支援する地理にとらわれないガバナンスを提供する。また、住所、配送サービス、デジタル署名の検証を得られるという。

RNSを利用することで、デジタル居住プログラムはエンドツーエンドで暗号化され、ユーザーは位置情報とIDデータをどこまで他人と共有するかをコントロールできる。承認されると、ユーザーは物理的なIDカードとノンファンジブルトークン(NFT)としてのIDを受け取る。これは、「安全なID確認とKYC機能へのアクセスを促進するために使用され、法的なIDおよび検証のための基盤をオンチェーンで形成する」という。

デジタル居住プログラムの申請者は、アカウントを作成し、クレジットカードまたは仮想通貨で支払うことで申請できる。

デジタル居住プログラムは、パラオがブロックチェーン導入に踏み切った2つ目の大きな政策だ。2021年11月にはフィンテック企業リップル(XRP)と提携し、クロスボーダー決済を支援する環境に優しいデジタル通貨を開発すると発表した。