今回のテーマはPTAに関連することだ。

PTAって何の略?

その前に、PTAと聞いて何を思い浮かべるだろう。私などはいわゆる「既婚子なし家庭」なので無関係と言えば無関係なのだが、それでも「PTA」と聞くと親指を隠したり、「ポマード」と叫んで逃げ出したくなる。

PTAのPTは、おそらく「パーフェクト トラブル」の略だ。Aは思い浮かばなかったので、ア●ルでも何でも良いと思う。とにかく面倒ごとが起りやすく、疲弊する活動であるというイメージである。

正確に言えば、「PTA」は「Parent-Teacher Association」の略であり、親と教師が連携して子どもの学校生活を良いものにしようという組織だ。

具体的に何をやるかというと、登下校の見守りの取り決め、それに関する警察との連携、イベント時の写真撮影、懇談会の司会などがあるようだが、正直なところ「PTAの仕事は地域によって大きな差がある」ようだ。

町内会が強い地域のPTAだと、町内会行事への参加も余儀なくされ、仕事量も倍プッシュだが、逆に町内会の影が薄いところだと仕事は楽になるという。

つまり、PTAにもブラックとホワイトがあり、入ってみなければどっちかわからないのだ。つまりPTAガチャであり、町内会が☆5レベルの強さのカードを引くと地獄を見ることになりかねない。

あまりにも身近な「GAME OVER」

PTAではないが、私も去年「町内会長になるかもしれない」というピンチがあった。

今でこそ私は無職だが、当時は作家業に加えフルタイムで会社員もしており、そこに町内会長の仕事までログインしてきたら、正直「完」だな、と思った。幸いにも、そのときは厳正なあみだくじにより窮地を逃れることができた。

だが、今は子どもの親業をやりながらフルタイムで働くも人も珍しくなく、それはある意味兼業作家なんかよりもハードだろう。そこにブラック気味のPTA業務まで加わったら、普通に「完」なのではないだろうか。

そんな「GAME OVER(ガメオベラ)」を回避すべく、最近「PTA業務代行業者」が人気を集めているという。これを聞いた時、「いざとなったら頼んで良いんだ」と「ホッとした」というのが私の一番の感想である。

しかし、定期的にツイッターなどを賑わす「料理にクックドゥを使うのは手抜き勢」からすれば、これは聞いただけで狂を発する話だろう。また、子どもに関わることだけに、「子どもへの愛がない」という文言が今年の台風ぐらい猛威を振るうことが容易に想像できる。

だがこの「PTA業務代行業者」を使う人というのは決して「面倒だから」というわけではないのだ。代行業者の利用者は「PTAなど下々のすること」と言うようなセレブではなく、多くが共働き家庭だと言う。

最近は共働き家庭が多いため、「仕事がある」はPTA不参加の理由にはならない場合が多く、有給などを使ってPTAに参加している親も少なくない。しかしどうしても仕事を休めなかったり、有給は子どもが病気などの時の切り札として取っておきたいという人が使うのだという。

つまり「楽をしたいから」ではなく「どうにもならないから」使っているのである。しかし、それでも、子どもに関わることを他人に任せるなんて愛がない論はなくならないだろう。

PTAの有無にかかわらず悩むコト

だが、仕事と家事で忙しい上、さらにハードなPTAの仕事までやることになったら、おそらく親(主に母親だろう)はずっと疲れてイライラしていると思う。

そんな、気の立ったメスゴリラに育てられる方が子供にとって悪影響である。子どものためだと言うなら、親の心身が健康な方がよほど子どものためだ。身体を壊したり、メンをヘラせる無茶な愛より、「金で解決する」方が最善なことが、この世にはいくらでもある。

それ以前に、業者に依頼するほど親の負担になっているなら、PTAなどなくなってしまえばよいのではとも思う。とはいえ、PTAは子どもの安全な登下校や、子どもが楽しみにしているイベントの運営などの面で、子どものためにはやはり必要な組織らしい。

しかし、子どものためのPTAなのに、その業務には親同士の親睦会など「それ子ども関係なくね」ということも多分に含まれていることもあり、業務内容に関しては、忙しい現代の親に合わせて合理化が求められるところだという。

そしてPTAも悪いことだけでない。PTAをやることにより同じ境遇の親たちと交流ができるという面もある。確かに、私の家には子どもがいないため、近隣住民との交流の機会など皆無である。最近、たまたま私の家の近所の人と知り合った友人より、「お前の家は、生活感がなく、住民を見かけない謎の家ということになっているぞ」と聞かされたところだ。

もちろん私が社交的でないのも原因だが、何せ子どもがいないので、近所と交流する機会がない。逆に、子なしの中年女がPTAや子ども会にしゃしゃり出てきたら、「恐怖」以外の何物でもないだろう。

PTAと言ったら人間関係に悩むイメージがあるかもしれないが、関わらなかったところでやはり悩むことになるのである。