今回は、秋葉原のパソコンショップ アークで、ゲーミングマウスの売れ筋を取材しました。
ゲーミングマウスのトレンドについて、同店スタッフの松本収平氏は「軽さとポーリングレートの高さが重視されますね。人気のある形状はブランドを超えて近い形状の”クローン”がいくつも登場しているので、メーカーに縛られず手に馴染んで高スペックなもの、具体的にはポーリングレートが4Kや8Kのものが人気を集めています」と解説します。
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パソコンショップ・アークの入力デバイス売り場。同店スタッフの松本収平氏に案内してもらった
数年に1度買い替える人から、コレクター的に気に入ったマウスを集める人まで、さまざまな人が訪れるとか。そのなかで、直近の売れ筋トップ5を挙げてもらいました。「ゲーミングマウス選びの3カ条」を踏まえて、順に追っていきましょう。
<ゲーミングマウス選びの3カ条>
- 第一に重視すべきは形状。手の大きさや持ち方でフィット感が変わるので、ここは実機で確認したい。
- 第二が軽さ。現在の感覚では、69g以下が軽量、49g以下が超軽量といえる。40gを切るモデルもある。
- 第三に値段。1万円で買えるモデルから3万円を超えるものまであるので、自分なりの妥当な予算を決めたい。
※本文と写真で掲載している価格は、2025年3月24日16:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:約40gで8K対応の1万円強マウス「SCYROX V6」
一番人気に挙げられたのは、SCYROXの「SCYROX V6」でした。本体重量は約40gで、同梱のドングルを使えばポーリングレートは125~8000Hz(8K)まで調整できます。カラーはホワイトとブラックがあり、取材時の価格は11,800円でした。
「2024年末に登場したモデルで、軽さと高ポーリングレートを備えつつ、1万円強で買えるという総合力の高いマウスです。定番人気の『HTS Plus』に形状が近いうえ、さらに軽量で安価というところが魅力ですね」
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SCYROX「SCYROX V6」
第2位:標準で8K対応となった定番シリーズ「LAMZU MAYA X」
2位に続くのは、LAMZUの「LAMZU MAYA X」。本体重量は約47g±2gで、同梱のドングルにより最大8Kのポーリングレートに対応します。標準のカラーバリエーションはブラックとホワイト、クラウドグレー、パープル、ライトピンクとなります。取材時の価格は19,140円でした。
「定評のあるLAMZU MAYAシリーズの最新モデルで、『MAYA』より一回り大きな形状をしています。それでいて、現状では8Kドングルを同梱している唯一のモデルになります。『せっかくだから8Kを』ということでよく選ばれますね」
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LAMZU「LAMZU MAYA X ライトピンク」の箱
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「LAMZU MAYA X ライトピンク」の製品画像
第3位:マグネシウム合金採用の肉抜きデザイン「Beast X」シリーズ
3位には、WLMOUSEの「Beast X」シリーズが入りました。サイズの違いによって「Beast X mini」「Beast X」「Beast X MAX」があるほか、8K対応ドングルを同梱した「Beast X 8K」もあります。カラーバリエーションや入力スイッチのバリエーションもあって人気が分散しているため、シリーズ全体でランクインとのこと。取材時の価格は22,499円~27,399円となります。
「マグネシウム合金を採用した肉抜きマウスです。2万円台で店頭購入できるということで話題になりましたね。好みは分かれるものの、以降安定した人気があります。Beast X miniで約34g±1gと非常に軽いですからね」
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WLMOUSE「Beast X」シリーズ
第4位:肉抜きなしで40g切り&クリックボタンにくぼみがある「Ninjutso Sora V2」
4位は、Ninjutsoの「Ninjutso Sora V2」です。本体重量は約39g±2gで、2024年3月に売り出された際は肉抜きがないのに40gを切る軽さが話題を集めたといいます。ポーリングレートは最大1000Hzながら、別売りの8Kドングル(3,780円)と組み合わせれば最大8000Hzまで対応します。取材時の価格は15,980円でした。カラーはブラックとホワイト、ピンクを揃えています。
「Soraシリーズは『肉抜きじゃないけど軽い』ということで以前から人気がありましたが、V2になって形状が変わりました。クリックボタンに少しくぼみが感じられるようになっていて、そこを気に入って選ばれる方が多くいらっしゃいます」
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Ninjutso「Ninjutso Sora V2」
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横から見たカット
第5位:遅延を極限まで抑えたい人に人気の有線マウス「OP1 8k」
5位は、ランキング上位で唯一の有線タイプとなるENDGAME GEARの「OP1 8k」でした。USBケーブルでパソコンと接続するため、デジタル無線接続よりも遅延が起きにくく、ポーリングレートも8000Hzまで対応しています。本体重量は約50.5gで、カラーはブラックとホワイトの2色。
「徹底的に遅延を抑えたい人がいきつくマウスです。ケーブルバンジーなどを使えば有線でも気にならなくなりますしね。つかみ持ち向きの形状をして、この形を好む人も多くいらっしゃいます」
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ENDGAME GEAR「OP1 8k」の箱
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「OP1 8k ブラック」の実機
はみ出し情報…肉抜き「Strider」とVaxeeコラボの「Sora 4K」も人気
トップ5には入らなかったものの、好調に売れているマウスを2つ挙げてもらいました。
ひとつは、WLMOUSEの肉抜きタイプ「WLMOUSE Strider」シリーズです。重量は約45g±2gで、8Kポーリングレートに対応します。スイッチはオムロンとTTC Nihilタイプがあり、カラーはブラックとホワイト、パープル、ゴールドが選べます。取材時の価格はいずれも25,500円でした。
「XM形状といわれる定評のある形状を採用した肉抜きマウスで、スイッチも好みのものが選べるということで人気があります」
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WLMOUSE「WLMOUSE Strider」シリーズ
もうひとつは、NinjutsoがゲーミングデバイスメーカーのVaxeeとコラボした「Vaxee x Ninjutso Sora 4K」です。重量は約59~60gで、ポーリングレートは最大4K。Vaxeeのワイヤレス技術を採用し、「Vaxee競技用モード」というeスポーツに最適化したモードも備えています。取材時の価格は23,450円でした。
「Vaxeeは世界的に人気のメーカーですが、日本で取り扱っているリアル店舗はまだありません。コラボモデルながら、こちらは『中身がVaxee』ということで店内でも注目されています。ガワも人気のSora 4Kですし、よく指名買いされます」
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Ninjutso「Vaxee x Ninjutso Sora 4K」

著者 : 古田雄介
ふるたゆうすけ
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