米Microsoftは7月24日(現地時間)、AIを利用した検索機能「Bing generative search」(以下:ジェネレーティブ検索)を発表し、初期プレビューを開始した。

従来のWeb検索エンジンは、ユーザーが入力した検索キーワードに基づき、検索結果として、関連するWebページのリンクを一覧表示する。一方、AI検索は、Web検索、言語モデル、AI生成機能を用いて、ユーザーの質問を理解し、関連情報を集約して回答を生成・提供する。

2023年2月にBingにCopilotが導入されてから、MicrosoftはBing検索の検索結果ページの一部にCopilotの生成コンテンツも表示し始めていた。たとえば、「浸漬式ドリッパーとは?」と検索すると、Web検索結果とともに、右側にCopilotが生成した説明と、Copilotに聞くと役立ちそうな追加質問例が表示される。

Bingの新しいジェネレーティブ検索の結果では、生成された回答が中心に配置され、右側に従来のWeb検索結果が並ぶ。

Microsoftが示した「How long can elephants live?」(象の寿命は?)という検索サンプルの場合、メインカラムのトップに「Up to 70 years in the wild and 88 years in captivity」(野生では最長70年、飼育下では88年)という生成コンテンツが表示され、生成に情報を使用したソースへのリンクが付けられている。さらに、「寿命に影響を与える要因」、「寿命の比較」といった関連するコンテンツが続く。右側に、従来のWeb検索結果が表示される。

Microsoftによると、ジェネレーティブ検索は、Bing検索と大小の言語モデルを組み合わせてユーザーの検索の意図を理解し、関連する膨大な情報源をレビューしてコンテンツを動的にマッチングさせている。

AI検索には、生成AIが実在しない情報を生成するハルシネーションの懸念がある。 Microsoftはジェネレーティブ検索のプレビューを小規模から、ごく一部のユーザーのクエリに対して提供し、効果と課題を確認していく方針である。「ゆっくりと時間をかけて、フィードバックを収集・分析し、テストして学び、優れた体験を構築した後に、より広く提供する」としている。

AI検索により、ユーザーが検索結果ページから直接情報を得られることで、Webサイトへのアクセス減少も懸念されている。 Microsoftによると、ジェネレーティブ検索は従来のWeb検索結果も表示し、クリック可能な参考文献リンクを増やすなど、Webのエコシステムを支援する設計を行っている。初期データでは、Webサイトへの移動が維持されているという。