米NVIDIAは2月22日(現地時間)、「NVIDIA」アプリのパブリックベータ版をリリースした。このソフトは、NVIDIAコントロールパネル、GeForce ExperienceおよびRTX Experienceに散在する管理・設定や機能を統合し、モダンなインターフェイスで提供する。ドライバーの管理・更新が簡素化され、ドライバーとゲームの設定を1つの場所から調整できるようにした。
システム要件は以下の通りである。
- OS:Windows 11、Windows 10
- CPU:Intel(Pentium G Series、Core i3、i5、i7)、AMD(AMD FX、Ryzen 3/5/7/9、Threadripper)
- GPU:GeForce RTX 20/30/40シリーズ、GeForce GTX 800/900/1000/1600シリーズ、GeForce MX100/MX200/MX300/800M/900M
最初のパブリックべータ版(v10.0.0)では、既存アプリの主要機能を取り入れつつ、利用の少ない機能を除外することでユーザー体験を向上させている。NVIDIAによると、GeForce Experienceに比べてインストール時間が半分になり、使用するディスク容量が17%少なく、そしてユーザーインターフェイスの応答性が50%向上している。ベータ版はNVIDIAアプリのサイトからダウンロード可能で、ベータ版インストール後もNVIDIAコントロールパネルとGeForce Experienceは引き続き利用できる。
NVIDIAアプリを開くと、左側のメニューに「ホーム」「ドライバー」「グラフィックス」「引き換え」「設定」のセクションを切り替えるボタンが並ぶ。
ドライバーセクションでは、インストールしているGame ReadyドライバーまたはStudioドライバーの改善点や修正点、追加機能、アップデートの有無がまとめられており、さらにポップアップを通じて詳細情報にもすばやくアクセスできるなど、ドライバーに関する情報の把握が容易になっている。アップデートがある場合は、このセクションからダウンロードして更新する。
NVIDIAコントロールパネルの3D設定の管理と、GeForce Experienceのゲームの最適化がグラフィクスセクションに統合されている。グローバル設定と、ゲームやアプリケーションごとのプログラム設定をタブで分けたデザインになっており、1つのインターフェイスでドライバー設定を調整しながら最適化を確認または変更できる。
ゲームプレイやライブストリーミングを支援するゲーム内オーバーレイも、NVIDIAアプリとともに再設計された。オーバーレイは、ゲームプレイ中にショートカットキーで簡単に画面上に呼び出せ、ShadowPlayによる録画/キャプチャ、Freestyleフィルター、NVIDIAハイライト、フォトモード、パフォーマンス監視ツールなどを利用できるユーティリティだ。新しいユーザーインターフェイスでは、オーバーレイ機能により迅速にアクセスできる。例えば、キャプチャしたコンテンツはギャラリーにサムネイルで表示されるので、ギャラリーで内容を確認してすぐに利用できる。また、新しい統計情報オーバーレイでパフォーマンス監視が強化されており、HUDの表示領域を最小限にとどめるなど、ユーザーはゲームセッション中にパフォーマンスオーバーレイの表示方法やメトリクスをカスタマイズできる。
リアルタイムの後処理フィルターを通じて、ゲームの視覚的な体験をカスタマイズできるNVIDIA Freestyleは現在、1,200を超えるゲームにサポートされている。NVIDIAアプリは、「RTX Dynamic Vibrance」、「RTX HDR」 など、GeForce RTXのTensorコアを活用するAIフィルターによるAI Freestyleを提供する。
RTX Dynamic Vibranceは、NVIDIAコントロールパネルで提供されているDigital Vibranceを改良したAI Freestyleフィルターで、視覚的な明瞭さが強化され、色のつぶれを最小限に抑え、バランスを保ちながらゲーム映像の明瞭性を高める。
RTX HDRは、HDR(ハイダイナミックレンジ)に対応していないゲームを、HDR対応のモニターにおいてHDRのような表示に変換する。NVIDIAによると、最もプレイされているGeFroceゲームのトップ50の内、HDRをサポートしているのは10タイトルであり、HDR対応のシステムで標準ダイナミックレンジのゲームをプレイしているユーザーが多数存在する。
NVIDIAアプリの正式リリースに向けて、今後はNVIDIAコントロールパネルの残りの機能の統合を進める。また、GPUオーバークロックやドライバーのロールバックなど、GeForce ExperienceおよびRTX Experienceからの機能も追加する予定である。ただし、ユーザー体験と快適なクライアント性能を維持するために、優れた代替手段があり、NVIDIAのツールでの利用が少ない機能は導入しない。現段階で、TwitchやYouTubeへのブロードキャスト、FacebookやYouTubeへの画像とビデオの投稿、フォトモード360およびステレオキャプチャなどの導入見送りが決まっている。