米Microsoftは2月1日(現地時間)、機械学習API「DirectML 1.13.1」と推論アクセラレータ「ONNX Runtime 1.17」をリリースし、DirectMLによるNPU(ニューラルプロセッシングユニット)アクセラレーションのサポートの開発者向けプレビューを開始した。この初期リリースは、Intel AI Boostを利用できるIntel Core Ultraプロセッサを搭載したWindows 11デバイスで、NPUアクセラレーションに最適化されたモデルのサブセットをサポートする。

DirectMLはDirectX 12互換ハードウェアをサポートし、DirectX 12のスタイルに沿ったプログラミングインターフェイスとワークフローを提供。このAPIを使用することで、ゲーム、エンジン、ミドルウェア、バックエンド、その他のアプリケーションに、機械学習の推論ワークロードを統合できる。高度な開発者コントロールが必要なゲームや各種エンジンのような分野では、シリコンを最大限に活用するためにより低い抽象レベルが求められる。DirectMLは、それらの要件に対応する設計になっている。

MicrosoftはDirectX 12互換GPUに加えて、機械学習タスクのために設計されたNPUへの対応を進めている。

NPUを活用することで、機械学習のパフォーマンスと効率が向上し、DirectMLを使用するアプリケーションはリアルタイムの推論や複雑な機械学習モデルを実行する幅を広げられる。他にも、より多様なアプリケーションへの対応、省エネルギー、エッジコンピューティングの強化、より幅広い開発者やエンドユーザーへの機械学習の開放(機械学習の民主化)といったメリットが期待できる。

MicrosoftはIntel、ローンチパートナーであるSamsungとのパートナーシップでNPUをサポートするDirectMLの初期リリースを開発した。使用の要件は、AI Boost対応のCore Ultraプロセッサを搭載したWindows 11デバイス、DirectML 1.31.1 NuGetパッケージ、ONNX Runtime 1.17、Intelの最新のNPUドライバーなど。