AMDのRyzenシリーズにはCPUダイ直上に大容量のSRAMキャッシュを搭載し、大規模なL3キャッシュを利用できるものが存在する。この独自技術は「3D V-Cache」と命名されており、なんとこの領域をストレージデバイスとして強引に認識させたユーザーが登場した。Tom’s Hardwareが報じている。

  • Ryzen搭載の「3D V-Cache」をまさかの“RAM Disk”化。爆速だけど理論値には程遠い

CPUやSSDのクーラーのレビュワーとして活動する@GPUsAreMagic氏がX(旧Twitter)上に投稿した内容。最新世代のひとつ前にあたるZen3世代、Ryzen 7 7800X3Dを用いて行われたテストで、テストにはCrystalDiskMarkが用いられている。シーケンシャルな読み込みは約178GB、書き込みは約163GBという一般的なストレージデバイスをはるかに超えた結果が出たようだ。

3D V-Cacheをストレージとして認識させるには、フリーソフトウェアのOSFMountを利用。FAT32でフォーマットされているとのことだが、CrystalDiskMarkの安定した実行にも難があるようだ。テスト値をSEQ 256KB、キュー深度を1、スレッド数を16に設定する必要があり、書き込みデータはランダムではなくゼロに設定しないと完走できなかったとしている。上部の容量表示も本来のものとは異なり、正確なテストとは見られない。

また、一見するとかなり高速なように見えるが、AMDは3D V-Cache技術の帯域について第1世代では2TB/秒、第2世代では2.5TB/秒を実現していると発表しており、理論値の10%もパフォーマンスが出ていないようだ。