SilverStoneとTEKWINDの主催で2023年11月25日に「SilverStone EXPO 2023 ~Maximum~」がLIFORK AKIHABARA IIで開催されました。このイベント、Maximumというサブタイトルがついているように一般家庭では使えないようなアイテムも含まれていました。

  • ゴリゴリな製品から「情報処理技術遺産」オマージュなPCケースも、「SilverStone EXPO 2023 ~Maximum~」レポート

    SilverStone EXPO 2023 ~Maximum~が開催されました……すごく気になるアイテムが見えますがこれは最後に

  • 当日のPOP。今回原稿執筆の関係でステージはほとんど見ていません

  • レシート提示で行える抽選会のチラシ。サーバー関係もあるのでこの手のイベントではなかなか参加しないオリオスペックが対象店舗に入っているのが印象的です

法人向け製品があり、かなりゴリゴリな製品も展示

ATX電源はついに2000W製品の「HELA 2050R Platinum」を先日リリース。一般の電源コンセントは最大15Aまでという制約があるので100V製品の場合(変換効率があるので)大体1200W製品が上限。2000W製品は200Vコンセントを必要とします。

一般家庭でもエアコンで200V製品があるので使えなくはないとも言えますが、新築、リフォームで200Vラインを用意しない限り真価を発揮できないのはと思います。一方でシステムパワー増大に対応するためには電源もパワーアップしなければならないので致し方ないところかもしれません。

  • ずらりと並んだ電源。サーバー向けのリタンダント電源もありました

  • +12Vだけで170Aの出力が得られるHELA 2050R Platinum。フルパワーを発揮するためには200Vの電源が必要で、100Vの場合は最大1350Wとなります

  • 最大出力1650WのZEUS 1650R Titanium。こちらもフルパワーのためには200Vが要求されます。いわゆる「逸般の誤家庭」向け製品です

  • プレゼン資料。常時フルパワーの出力が可能と高耐久ぶりが目を引きます。大きな写真は載せていませんがSFX電源でも1200W対応の製品が出ているのも注目

システムパワーに対応するためには冷却の方もパワーアップが必要。という事でTDP360Wの冷却に対応するべく420mmの簡易液冷ユニットが展示されていました。CPUに液冷を使うとVRMやメモリ、M.2 SSD等、CPU周りの発熱部の冷却が不十分になることがありますが、これは追加ファン(IMF70 ARGB)で対応します。

  • CPUクーラー関係のオシは液冷ソリューションのIceMyst。240/280/360/420mmと4ラインナップ。420mm製品はTDP360Wを今後のCPUを想定した製品との事です

  • CPU液冷の場合、VRMやメモリ、発熱の多いPCIe Gen5のM.2 SSDが問題になりますが、オプションのファンを付けることで解決

  • 実際の利用例もケースの方で展示。ファンの位置は比較的自由に変えられるため、二つの作例でファンの位置が異なるのがわかります

  • IceMystシリーズは大きさによってTDP240/280/300/360Wに対応。長持ちさせるためには大き目な製品を使うとよいとの事

  • オプションのファン。CPUクーラーポンプブロックに挟み込む作りで一体感があります

  • 冷却ファンも様々なサイズを用意しています

  • SilverStone独自のShark Forceの特徴を伺ったところ「静かで、風量も風圧も高い。片側だけブレードデザインを入れている会社もあるが当社は両面ともパターンを入れている」との事

  • ホコリを防ぐガードもナイロンメッシュにより細かく、かつ低損失。手に持ってみると結構スケるのがわかります

  • ケース側に置いてあったのがFDP02。なんか見やすく斜めに置いてあるのは台ではなく……

  • パソコンケースのリアスロットに取り付ける追加ファン(画像でわかるように)。最近のパソコンではスロット余ることも多いのでこれはイイ感じです

  • ファン製品の製品ラインナップ。プレゼンでは厚さ15.5mmのASシリーズに140mm製品が加わったと紹介しています

  • ファンフィルターのラインナップ。ナイロンメッシュにより防塵性と通気率が高いのが魅力です

  • リアに取り付けるFDP02の資料。エアフローを向上させることで社内テストではMB温度が8度以上低くなっていることがわかります

一般向けのケースは3製品(FARA 514X/SETA H2/SETA A2)を展示していました。今回のイベントはASRock、ASUS、GigaByte、MSIが協賛しており、各社パーツを使ったデモ機となっていました(4社なのでSETA A2は二台で)。FARA 514XとSETA H2は兄弟機に見えるようなデザインとなっていますが、SETA H2の方が全体に一回り大きく、420mm液冷にも対応します。

SETA A2はSETA H2同様の大きさですが、外見だけでなく内部構造はかなり違いがあり最近のヘビーウェイトGPUをサポートするガイドがついています。

プレゼン資料を見るとSETA A2とFARA 514Xは裏面電源コネクタマザーにも対応という記載がありました。これはマザーボードのATXコネクタが基板の裏面に取り付けられており、電源ケーブルが見えないというもの。側面透明パネルが当たり前になっている状況を考えると対応マザーの一般市販化を含めて大いに期待したいところです。

  • 最後にケース類。こちらは一般的なパソコンケースでショップでも今後展示されるのではないかと思います

  • こちらはかなり豪胆なケースです。一般パソコンショップでは在庫していないので通販で購入する事になりそう

  • 今回展示されたケースは文字が太いものです

  • FARA 514X(左)とSETA H2(右)。全体的なデザインは同じですが、SETA H2は一回り大型。ちなみにFARA 514XはGigaByte、SETA H2はASrockのパーツで構成されています

  • SETA A2はカラバリ展示。左はASUS、右がMSIのパーツで構成されていました

  • SETA A2はGPUサポートがあるので、大型GPUを組み込んだ際の安心感があるのがうれしい

  • それぞれのケースのプレゼン資料です

ケースに関しては一般家庭には似合わないヘビーな製品も展示していましとぁ。その中でGPUヘビーにしつつ小型ケースを求める人に向いているのが「SUGO17」。27Lの比較的小型筐体のmicro ATXマザーに対応したケースですが、この大きさでGeForce RTX4090に対応。デュアル360mm液冷に対応するほか、最大11の空冷ファンを取り付ける事ができるとCPUよりもGPUが必要というニーズに応えます。

  • パワフルなGPUを使っても小型筐体にしたいという人向けなSUGO17

  • 小型筐体の割には空冷ファンが多め。トップの120mm×3ファンは標準ですが、最大11ファンが装着可能

  • こちら側は80mm×4ファンが装着可能です。GeForce RTX4090を使ったマシンでも小型にしたい人向けでしょう

  • SUGO17のプレゼン資料

今回展示されていたケースは産業用の19インチラックに対応した製品もありましたが、ラックに入りきらないスーパーヘビー級のケースとしてALTA D1も展示。モジュラーデザインでかなり自由度の高いレイアウトが可能でシステムを組み上げるとヘビー級なのでメンテナンスを考えてキャスター付きで当然(?)デュアル電源対応。

デュアル電源ならば100Vコンセントでも2000Wに対応できますが、一般家庭で一つの部屋に二系統の配電をしているというのも普通ではないでしょうから企業向けなのでしょう。

  • スーパーヘビー級なケースなALTA D1。モジュール式で構成をかなり自由に変更できるため、展示ではあえてプレーンな形で展示していました。標準でキャスターが付いています

  • プレゼン資料。ここでは3つの構成を紹介していますが、4種類のモジュールを自由に配置できるのが魅力です

ステージにはおっさんホイホイのようなケース「FLP01」も参考展示されていました。懐かしのパソコンオマージュなデザインですが、裏を見るとATXマザーのパソコンであることがわかります。

「GD09」ベースで作られているとのことで、フロントのFDDっぽいものはダミーで、上が5.25インチベイ、下はUSB、サウンドコネクタがついており、横置きのケースの上にモニターを置いても大丈夫との事。発売になったら購入したいなぁと思います。

  • 参考展示されていたFLP01。DG09ベースとの事ですが、どう見てもアレだよねぇ

  • フタを開けてみるとATXマザーケースとわかります

  • FDD風に見えるのはダミーカバーで、上は5.25インチベイ、下はUSBとサウンドコネクタが付いていました……発売されたら買うつもりです

  • ステージのプレゼンを行っているのはSilverStone Marketing/PR SpecialistのShawn Chou氏

  • ステージは立ち見も出るほどの盛況ぶりでした